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ライブビューでの撮影は疲れるが開放での撮影には役に立つ

ライブビューでライブ風の写真を撮るコツは?

ライブビューでライブ風の写真を撮るコツは?

ピントの歩留まりは大切だ。幾らたくさん撮ってもピントが合っていなければその写真は無駄になってしまう。後からPhotoshopで目だけにシャープネスをかけて誤魔化すという方法もあるが、解像感が悪くなるので、ピントはシッカリと合わせたいところだ。

僕は普段マニュアルフォーカスのレンズを使っている。一眼レフデジカメ最高峰のレンズ、ツァイスのOtusシリーズだ。開放での画質にこだわりたい時はこのレンズを使っているが、それ以外のシーンでも優先してOtusシリーズの二つのレンズを持ち歩いている。

普段は独自に編み出したピントを合わせる方法で、F1.4で撮影してもガチピンになるようにしている。しかしそれでもガチピンにならない時はある。

撮影しているモデルさんが知り合ってまだ日が浅い、かつモデルさんの容姿が可愛い時だ。モデルと打ち解けていないと、AFとは勝手の違ったピント併せに待たせるのも悪いと思うし、モデルさんが可愛いと緊張してしまったりする。この辺りはカメラマンの性格に関する笑い話で済ませられるが、他にもピントが合わせにくい要件はある。

混雑した場所での撮影で、時間制限のある時と、暗い場所で撮る時、逆光の条件下で撮る時。これら5つの要件が重なり合うと、緊張してしまったり焦ったり機械の限界のせいだったりで、上手くピントを合わせることが出来ない。

カメラマンの問題

  • モデルと知り合って日が浅く、打ち解けていない。
  • モデルの容姿が可愛くて緊張してしまう。
  • 混雑した場所で、撮影の時間制限があり、急かされる。

カメラの性能の問題

  • 場所が暗い。
  • レンズの視界が逆光状態。

そういう場合はどうすれば良いか。対策としては2つある。

  • F値を上げて撮る。
  • ライブビューモードで撮る。

カメラをライブビューモードにして開放F値でピントを合わせるという方法

F値を上げて撮ればピントの合う被写界深度の幅が広がるので、ピントが合いやすくなる。問題はF値を変える前と同じ明るさで撮ろうと思えば、ストロボの光量を上げるか、ISO感度を上げるしかない点だ。

ストロボ撮影の時はシャッタースピードを下げても背景が明るくなるだけで、光が当たっている被写体自体の明るさは変わらない(1/60秒より遅くすると明るくなる場合があるが、手ブレの問題が生じる)。

F値を上げるという事は絵作りが変わっていくことを意味する。背景が暈けなくなる。それでもいいならF値を上げると良い。しかし背景を暈かした絵が欲しい場合は、F値を変えることは推奨できない。

そこでもう一つの解決策として、ライブビューモードで撮影する。しかしライブビューモードにも問題点はある。ライブビューモードでもAFで撮れるが、AFの速度が遅く、油断しているとピントの精度もファインダーで撮る時よりも甘くなりがちだ。目にピントを合わせようとした場合、ファインダーでの撮影時のスポット1点AFよりもピントの合う範囲が広いので、フォーカス内に顔全体が入ってしまうと、キッチリと目に合わないことが度々ある。またライブビューモードで撮る時は、顔をカメラから離して腕を若干伸ばした不安定な体勢になる。この体勢でライブビューでピントを合わせた後、フォーカスロックと同じ要領でカメラを動かすと、ファインダーで撮る時よりもカメラを持つ手の動きの幅が大きくなって仕舞いがちで、どうしても元の位置よりも前後しやすい。コサイン誤差も大きくなりがちだ。特に広角レンズで開放付近で撮る時は、フォーカスロック方式を取るとピントがズレやすい。

Otusはマニュアルフォーカスのみのため、ライブビューで撮影する時は、ピントを合わせる位置を拡大して、トルクを回し、ライブビューをよく見ながらピントを合焦させる。体が前後しないようにシッカリと固定してシャッターを押していく。開放F1.4やF2.2のような浅い被写界深度でもガチピンで撮れる。しかしフォーカスロック的に構図を変える場合、上述した理由からファインダーで撮影している時よりも神経を使ってしまう。

ライブビュー撮影は疲れるが選択肢としてはアリ

ピントの精度はカメラマン自身が何とか対応するとして、もう一つの問題は、ただ単に撮りづらい。ライブビューモードは撮影した画像が表示されるテンポが遅い。撮った画像がすぐに確認できないので、ファインダーを覗いて撮影する時よりも撮影テンポが悪くなる。三脚を立てて撮る風景写真ならじっくり腰を据えて撮るので多少遅くても問題は無いが、テンポの速い撮影を求められている場合は、構図がなかなかか確認できないので足枷となる。

今回のレイヤーさんは、ポーズを取るテンポがファッションモデルのように速いので、こちらも速くシャッターを切る必要があったが、撮った写真がなかなか表示されず、リアルタイムの画像にパッと切り替わらないので、次に撮る構図が決められない。そこでライブビュー画像に切り替わるのを待たずに、液晶画面を見ずに、これまでの撮影で培ってきた勘でカメラを傾けて矢継ぎ早に撮ることにした。つまりカメラマンはどんな構図になっているか見ないで撮影している状態になるのだが、ライブ風の写真なので様になっている。

これがファインダーでの撮影なら、親指AFで撮っているので、1度構図を決めたら、モデルが大幅に前後しない限り、構図をあれこれ変えてシャッターを押していくだけで良い。シャッターを押す毎にテンポ良くポーズを変えてくるモデルとの相性も抜群な撮り方だ。

別の日にも逆光状態でライブビューモードに切り替えて撮影したが、条件が悪かったのか露出シミュレーション機能でも人物がなかなか明るくならないのでピントの合わせようがなく、最終的にファインダーを覗いてマニュアルフォーカスで撮影した。ライブビューからファインダーを覗いての撮影に戻った時の視野の広さと印象は別格で、広い場所に出られたという不思議な開放感すらある。

三脚を立てて腰を据え一個の機械のようになって精密さを追求する風景写真ならライブビューは相性が良いが、人物撮影におけるライブビューモードでの撮影は単純に疲れる。写真を撮っている気がしない。同じ写真を撮るという行為なのにフィールドが変わると、こうも変わるものか。

とはいうものの、ライブビューで映像を拡大しながらの撮影は、ピントの精度が得られて歩留まりが改善するので、作例のような暗い場所や逆光気味の場所で撮る時、マニュアルフォーカスのみのレンズで撮る際には、ファインダーで撮るというカメラマンの矜恃を捨てて、ライブビューモードを使って撮る方法も選択肢として入れておきたい。ピントの合っていない写真は使い物にならないことを考えると、その方が賢明だろう。