etoile studio

知らない作品でもイメージに近づけて撮る方法

作品やキャラクターを知らなくても、方法論を確立すれば作品のイメージに近づけて撮ることができる。

作品やキャラクターを知らなくても、方法論を確立すれば作品のイメージに近づけて撮ることができる。

色んな人と撮り合いをしていてよく言われるのが、「その作品知らないから、どう撮ったらいいのか分からない」というセリフだ。じゃあ何でいつも僕が知らない作品を僕に撮影依頼してくるんだ?とその都度思うのだが、言うてもせいがない。

知らない作品をどう撮ったら良いのか分からない理由を鑑みるに、おそらくその作品のイメージを壊さないような撮り方をしないといけないとか、その作品の雰囲気を忠実に再現しないといけないとかいう、「~しないといけない」という強迫観念が働いているものと思われる。

その為、モデルと背景を、まるで漫画家が紙の上にマンガのワンシーンを描くように自分の頭の中で一から組み立てようとするのだが、作品を知らないから組み立てようがないという思考回路に陥ってしまっているのではないだろうか。

特にコスプレ写真というジャンルは、原作あってこその写真なので、イメージや雰囲気を壊すように撮ってはいけないという強迫観念がつきまとう。その純粋な想いが行き過ぎて、作品を知らなければいけないとか、原作にある絵のように撮らなければならないという考えに行き着いてしまうのではないだろうか。

とりあえずそのような考えは一度捨ててしまって、知らない作品でもイメージに近づけて撮る方法を提示していきたい。

幾つかのパターンに分けて、自分の頭でイメージを構築する

或る文学理論によると、ストーリーであれ、登場人物であれ、どのような物語でも十数通りのパターンに当てはめることが出来るそうだ。パターンの正確な数は忘れたが、この世に存在するどの物語もパターンに当てはめることが出来るという考え方は、コスプレ写真を撮る上でも応用が利く。原作のイラストにしても何かしらのパターンに当てはめることが出来る。そのパターンを読み取って自分の中で再構築すれば良い。

まずは作品の大まかなイメージを教えて貰う。

これらのイメージを教えて貰うことで、明るさやF値などのカメラやストロボの設定を決めることが出来る。

イメージは更に次のように細かく別けられる。広角から望遠まで、どの焦点距離で撮れば良いかを考える元になる。

撮りたい写真がどのジャンルかによって、背景を選ぶことが出来るし、だいたいのイメージを掴むことが出来る。

ラブロマンスなら背景を緑にして開放付近で暈かしてキラキラに。フンワリとしたピンクっぽいのも良い。戦闘シーンはカリカリに撮るか、片方にだけピントを当てて、片方を暈かして対戦中のインパクトを出す。音楽ライブは広角でステージ上の全員を収める。スポーツ物なら雲が漂う空を入れた爽やかな感じで。

といった具合にイメージを組み立てていく。原作の絵は知らなくても良いし、この際考えない方が良い。見せて貰ったところで2次元のシーンを忠実に再現するのは無理がある場合が多いし、固定観念が生じて「このイラストにあるようにこう撮らなければいけない!」という思いが強くなり、思考の筋肉が硬直化してしまう。そうなると緊張でぎこちなくなった舞台役者のように上手く立ち回れなくなってしまう。

次に構図を考えていくが、基本的な構図を知っていると、どのようなシーンでも応用が利く。

基本的な構図をそのまま当てはめるのではなく、シーンにあった構図はどれが最適かを自分の頭で考えて、構図を決めていく。

大ざっぱに撮り方を決める。

このように順序よく組み立てていけば、知らない作品でも自ずとその作品のイメージに近づけることが出来る。

誤解を恐れずに言えば、コスプレ写真の撮影において、作品を知っているのと知らないとの違いは、ほとんどないと筆者は考えている。写真を撮る上で重要なのは、撮影に情熱を傾けることが出来るか否かである。知っている作品でも情熱が湧かなければ撮る意欲も湧かない。イメージも構図も浮かんでこない。モデルにどんなイメージが最適な作品なのか質問しようとすら思わない。意欲の差はイメージを生み出す意欲の欠落となり、そのまま写真にも差となって顕れる。

難しく考えてはいけない。一度頭の中を柔らかくしてみよう。作品を知らなくても今の時代、インターネットでタイトルを検索すれば画像がたくさん出てくるし、撮影時にコスプレイヤーにどんな風に撮れば良いかを聞けば良いだけの話だ。出てきた画像やモデルの話から、自分でイメージを組み立てて撮るのが最善の道となるが、最も重要なのは撮影意欲なのは言うまでもない。意欲があれば自ずとモデルの外見や身につけている衣装からイメージを推察し、様々なカメラの設定や構図が浮かんでくることだろう。