五分咲きでも満開に見えるように桜ポートレート写真を撮る方法

満開ではなかったけれど、何とか満開に見えるように撮れた。。
満開ではなかったけれど、何とか満開に見えるように撮れた。。

桜ロケに行ってきた。残念ながら三分咲きくらいだった。もっと咲き誇っていると胸に期待を踊らせて足を運んだのだが、木々は遠目から見たら全く剥げ散らかしていた。

公園をぐるりと回ってみたが、やはり咲いていない。どこも剥げ散らかしている。花がついていない枝が刺々しい。もう3月も終わりに近いのに、これではまるで冬の様相だ。とぼとぼと歩いて行く内に、一角に仄かにピンクに色づいている木々の塊を見つけ、早速そこで撮ってみることにした。

三分咲きか五分咲きくらい?ちっちゃくてあまり映えない。
三分咲きか五分咲きくらい?ちっちゃくてあまり映えない。

三分咲きくらいだろうか。五分咲きだろうか。桜だけを撮ってみたが、全く絵にならない。小さな紙くずを指でクシャッと丸めたような桜の花びらになってしまった。

さて早速二人を撮影。こういう場合、やはり切り取って撮ると良いだろう。例の「写真は引き算」のセオリーの実践だ。これらの乏しくて蕾から出たばかりの桜の花びらを、いかにして満開に咲き誇っているように撮るか。

手っ取り早い方法は、開放か開放付近で撮ることだろう。その方法が頭にパッと思い浮かんだが、開放で撮ると柔な桜の花びらは溶けて何が何だか分からなくなってしまうんじゃないだろうか。

という懸念から、F2.2まで絞って撮ることにした。モデルは二人なので両方にピントが合わせやすいという理由もある。

背景の桜を暈かすと、満開に見える。model:Sakura & Asa
背景の桜を暈かすと、満開に見える。model:Sakura & Asa

何とか背景が暈けて満開でないのが誤魔化せてる。余りクッキリ写っている枝を入れすぎると、まだ咲いてないのが分かってしまうので、申し訳程度に。他の花も混じっているっぽいが、まぁ桜に見えないこともないから、なかなか良い効果となっている。

思い切り暈かすことで、他の花も桜のように見せることが出来る。自然の邪魔な枝などは前暈けで誤魔化す。
思い切り暈かすことで、他の花も桜のように見せることが出来る。自然の邪魔な枝などは前暈けで誤魔化す。

いやぁ青い瞳が可愛らしい。ちなみに前の方に写っているシャーみたいなのは、地面から飛び出ていた枝。邪魔だったけど勝手に切り取るわけにもいかないので、前暈けで溶かした。開放F値でレンズの手前に持ってくると、枝とか柵とかは溶けて、ほとんど写らなくなる。

コツとしては、背景に桜がいっぱい入るように切り取り、なおかつ背景を暈かす。これだけ。桜ポートレートロケに行って、思ったよりも桜咲いてなかったら、是非この方法を試してモデルを喜ばせてみよう。