etoile studio

5人グループの集合写真を撮る時の心構え

5人グループの併せの撮影を極める!

5人グループの併せの撮影を極める!

ベルクラシック大阪でコスプレイベントが開催されていたので、急遽撮影に行ってきた。元々はこの結婚式場で、別のコスプレイヤーさんでアイナナ併せの3人を撮る予定だったのだが、メンバーの一人の都合でキャンセルとなってしまっていたのだ。

暇を持て余していた所へツイッターのTLにカメラマン募集のツイートが流れてきた。読んでみると撮影場所が同じだったので応募してみたら快諾を得たという経緯がある。イベント前日夕方頃の出来事だった。(何があるか分からないから、皆さんカメラマンの募集は最後まで諦めてはいけません。普段の行いが良ければ、当日にヒョイと撮影依頼が舞い込んでくることだってあり得ます。)

既に結婚式場で撮ることを想定していたので、モチベーションはいつもより高かった。併せの人数は5人で、あんさんぶるスターズ!(通称あんスタ)のKnights、ジャッジメントの衣装。ロケーションといいキャラクターといい、そしてこの18世紀北欧の貴族のような煌びやかな衣装といい申し分ない。

軽くロケハン。昼間はカラフルなステンドグラスだったが、夜になると色がなくなっていた。

会場に着いてから軽くロケハン。昼間はカラフルなステンドグラスだったが、夜になると色がなくなっていた。

残暑の中、会場に着き、コンビニで買ってきたカレーを食べ、ロケーションをテストショットを撮りつつ一通り見て回って、ソファに腰掛けて待っていたら、ツイッターでメッセージを取り交わしたレイヤーさんがやってきた。お顔を拝見して、あれ~何か引っかかるな~何だろな~何だろな~何か喉に小骨が引っかかった感じがするな~と、並んで歩きながら想像の地引き網を投げ拡げて記憶を引きずり起こしてみたら、アァアアアっッ!

3年くらい前に何度か撮ったことある人だ!

合点がいった所で5人が揃い、撮影開始。このような人気ロケーションは大抵他のレイヤーやカメラマンで混雑しているものだ。スーツ姿のスタッフも通りかかる。それに加えて5人という人数はゴチャゴチャしやすい。

このような場所で心掛けなければならないのは、背景に他人が写り込まないように撮ることだろう。かといって現場にいる見ず知らずのカメラマンやレイヤーに頭も下げずに、写り込むからどいてと言うのも飛んだお門違いだ。構図を変えるなり、被写体で隠すなり、自分たちで写り込まない場所に移動するなり工夫すれば良い。

例えば下の写真は、85mmの焦点距離でF2.2で撮影した。結構人がたくさん行き交っていたが、少なくなったところを見計らって撮影している。中望遠レンズでF2.2の設定で暈かすことで、背景に関係のない人が写り込んでいてもそんなに気にならない。

後ろに人が写り込んでいるが、暈かしているので判別がつかない。

後ろに人が写り込んでいるが、暈かしているので判別がつかない。

というものの、写り込んでしまうものは写り込んでしまうし、どうしても気になるなら、最終手段としてはPhotoshopで消すしかないだろう。後々の編集の難事も考慮に入れつつ撮影していく。

如何にして背景に関係のない他人を写り込ませないように撮るか。開放F値で撮る、被写体で隠す、ローアングルで撮る、斜め撮りしてフレームから外す。この4つを押さえておけば8割方は何とかなる。

本来ならF1.4の開放で撮っても良かったが、通りがバタバタしていたし、面識の浅いモデルさん達で緊張感もあり、モデルとの呼吸が合わずに、マニュアルフォーカスのレンズでF1.4に設定してピンボケした写真を量産してしまう恐れもあったので、F2.2迄絞った。それでも充分背景は暈けている。

暗い場所での撮影にも挑戦。背景をキラキラさせて色を残しつつ、ストロボでモデルの顔も綺麗に撮る。

背景の色をキッチリと発色させつつ、被写体も明るく撮る手法を会得できた。

背景の色をキッチリと発色させつつ、被写体も明るく撮る手法を会得できた。

最初はイラスト通りの写真が欲しいということで他のメンバーに両側からマントを持って貰ってワンショットで撮影していたが、手の写り込みが気になるので、連写で撮ることにした。久しぶりに1DXの連写性能が威力を発揮。どの分野の撮影でもそうかも知れないが、こと特殊撮影を要求されることが多いコスプレ撮影においては、機材がオーバースペックということはまずないという事実を、こういう現場のシーンで実感する。

階段の集合写真で全員にピントを合わせるには?

5人という人数は一番難しい。これがピンショットなら簡単。1人にライトを当てるのは容易なことだ。2ショットや3ショットでも何とかなるだろう。逆にラブライブ!のような9人以上の大型あわせだと、こちらも大人数になればなるほど逆に取れるフォーメーションが限られてくるので、全員に光が行き届くライティングと、全員にピントがガッチリ合うように見えるカメラの設定をキッチリとすれば、大人数でも意外と簡単に撮ることが出来る。

しかし5人となると、難しくなってくる。立ち位置が大人数程には制約されないのでフォーメーションは結構自由自在だし、それに加えてロケーションによっては全員に均等に光を当てるのが難しい。例えばこの階段でのシーンなどは、まずライティング機材を立てるのが難しいので、光の明るさがまばらになってしまう。ゆえに自然光のみでISO感度をあげて撮った。窓から光は入るが、窓を背にしているために思いの外暗く、ISO感度を2500まで上げなければならなかった。

自然光のみISO2500で撮影。段差のあるところでの5人の撮影は難易度が高い。

自然光のみISO2500で撮影。段差のあるところでの5人の撮影は難易度が高い。

プロフェッショナル機である1DXは高感度撮影に強いとは言え、2500まで上げて等倍で見ると、解像感が損なわれているのが分かる。それに加えて自然光で綺麗に撮るのはなかなかに至難の業だ。他にも各レイヤーが前後する構図になりやすいので、全員にピントを合わせるのが難しくなる。

各レイヤーが前後していても暈けないように自ずと焦点距離が短めに制限されていき、F値も上げなければならず、尚且つ明るく撮る為には、ISO感度を2500以上に上げなければならないことになる。いつも使っている55mmの単焦点Otusでは全員にピントを合わせるのが難しいのが泣き所だ。

また予想以上に会場に人が多く、写り込みもあったので、場所を選定するのが難しかった。レイヤーさん達は今日はこの場所がお目当てと言っていたので、なんとしても良い写真を撮らなければならないという焦りも出てくる。ソフトボックスを自分の意図した所に置けない場所というのは厳しい条件だ。段差のある所でも立てることが出来るミニ三脚を持参してくれば良かったかも知れない。

夜になるともう一つのお目当ての場所でもあるチャペルに赴いたが、酷く混んでいた。一組5分の制約の下、機転を利かせて撮影。残念ながら夜でチャペルのステンドグラスは色が落ちていた。ここは昼に早い内に来て撮っておいた方が良かっただろう。

時間制限があっても、焦らず撮ることが肝要。5人に均等に光が当るようにライティングをシッカリと設置しよう。

時間制限があっても、焦らず撮ることが肝要。5人に均等に光が当るようにライティングをシッカリと設置しよう。

撮影終了は午後8時頃。無料送迎バスも終了していたので、行きと同じく帰りも徒歩で帰った。この日もレンズ5本に、ストロボ5灯、三脚、ライトスタンド、ソフトボックス、アンブレラなど、総量20キロ以上の荷物を両肩に担いできたが、不思議とあれだけ重かった機材が帰り道は足取りも軽い。家に帰ってからデータをRAW現像する愉しみと、この日のために買っておいた極上ステーキが待っていたからかも知れない。