第3回Free!聖地巡礼撮影日記 前編

第3回Free!聖地巡礼撮影日記をお送りします。第1回の後が第3回?と疑問に思われるかも知れないが、実はこの間に一度、今回掲載する遠征の下見を兼ねて、岩美町に日帰りで訪れている。

実はPCのハードディスクがクラッシュしてしまい、外付けHDDにバックアップを取っていなかった数回分の撮影データが消失してしまった。その中に第2回のFree!聖地巡礼のデータが含まれていた。

そういう事情で第2回を飛ばしている。それではさっそく第3回の岩美町レポをお届けしようと思う。

今回の遠征撮影は、2014年6月末に敢行。今回もレイヤーさんの車で家の最寄りで拾って貰う。その前にファミレスで辛いカレーを食べて、腹ごなしをしてきた。たぶん拾って貰ったのは午前零時頃だ。夜通しかけて、Free!の聖地、鳥取県岩美町へ。

梅雨もあけやらぬ季節で、早朝岩美町に着いた時は、どんよりとした雲が空に垂れ込めていた。爽やかな朝とは言いがたい。

早朝5時。梅雨の季節のためか雲が広がっている。
早朝5時。梅雨の季節のためか雲が広がっている。

撮影開始は朝の5時半。こんなに早い撮影は初めてだが、確か日が昇る前と沈んだ後の30分間は、ゴールデンアワーと呼ばれる撮影にはうってつけの時間帯と、どこかで聞いた記憶がある。要は顔に影が出ず、光が綺麗に回るということだろう。

魚の骨を舐める猫。岩美町の猫は人を恐れない。
魚の骨を舐める猫。岩美町の猫は人を恐れない。

前回の岩美町遠征撮影から約8ヶ月。前回は開放でばかり撮っていたが、今回はレンズのF値を絞って撮ることも忘れない。マニュアルモードでの撮影も覚えた。はるちゃんが先に着替え終わったので、ピンショットを撮っていく。200mmの望遠を開放で試した後、思いの外暗くISO感度を上げるなどの不便を感じたので、24mmF1.4Lの単焦点でF2.8まで絞って、被写体の解像力を上げる。

そのあと4人共着替えが終わり、メンバー集結。EF85mmF1.2Lの中望遠レンズに変えて、F3.5まで絞って撮る。すると被写体が鮮明に写ること写ること。中望遠なので背景も程よくボケる。

走っている所や運動している所、見晴らしの良い台地に昇ってもらい下から望遠で撮ったり、今度はこちらが台地よりも高い場所に立って上から俯瞰して撮ったり、同じ台地から同じ目線で撮ったり、元の漁港に戻ってテトラポッド辺りで撮ったり、また走っている所を撮ったりと、前回よりも撮った撮った。気がついたら8時半、3時間撮っていた。378枚。

田後港の高台からEF85mmF1.2Lで撮影。F2まで絞っている。
田後港の高台からEF85mmF1.2Lで撮影。F2まで絞っている。

次は浦富海岸へ。明るくなってきたので、200mmの望遠でもF4.5やF3.2に絞って撮る。すると人物がクッキリと綺麗に映える。海岸でも定番の走ったり、4人並んでいる所を撮った。

EF200mmF2.8Lで撮影。F4.5まで絞った。
EF200mmF2.8Lで撮影。F4.5まで絞った。

どうも今回は撮影にかける意気込みが違う。第1回の時は初めてのロケーションでどう撮ったら良いか悩んでいたが、今回はその悩みがない。初めての土地に降り立った時の悪い意味での緊張感がない。いわば足枷がない。3回目の撮影だ。悩んでる暇があるなら撮る。

車の中で制服に着替え終わる。なにやら道の奥の方で、浦富朝市というのをやっているらしい。近づいていくと地元の人に声を掛けられたので、そのまま朝市の中へ。4人ともコスプレをしているのに、地元の人は嫌な顔1つせず温かく迎え入れてくれた。取れたての新鮮な魚介類をご馳走になる。奥さん方がラスクを売っていたので幾つか買った。

朝市をやっていた。地元の人たちが親切だった。いろいろ試食させてもらう。
朝市をやっていた。地元の人たちが親切だった。いろいろ試食させてもらう。

撮影再開。いつもの浦富海岸の緩やかな弧を描いたコンクリートの道を歩いて貰う。前回は85mmだったが、今回は200mmの望遠で。F3.2まで絞ると、被写体がシャープで、背景のボケ方も小気味よい。歩きながら撮っていったので、AFのモードはAIサーボにした。

荒砂神社の前。85mmのレンズに付け替えて、思い切ってF5.6まで絞る。絞ることを覚えた撮影者は天才と化す。

この辺りからだろうか、なんだか急に体がだるくなってきた。鼻が出る。すーすー鼻をすすりながら、撮影を続ける。

ファミリーマート前へ。前回と同様アイスを買ってアニメの本編の再現。このコンビニでアイスを買うのは3回目だ。

イワトビ祭りの告知チラシが店内に貼られていた。
イワトビ祭りの告知チラシが店内に貼られていた。

前回よりもバリエーションを増やす。前から二人にピントを合わせて、後ろ二人はボカしたり、横から撮ったり。とにかく開放では撮らずに、少し絞って撮る。前回F1.6で撮った山を背景にアイスを頬張っているシーンは、今回はF4.5まで絞る。山も存在感を示す。

JR岩美駅へやってきた。側の岩美町観光協会へ。大きなイワトビちゃんカカシが飾ってあった。駅前で少し撮ってからお昼休憩。お店を探していたら、こんな垂れ幕が。近くの定食屋で昼食を食べる。

JR岩美駅近くに飾られていたFree!の垂れ幕。
JR岩美駅近くに飾られていたFree!の垂れ幕。

もう一度浦富海岸へ。さっきは水泳部のジャージだったから、今度はイワトビ高校制服夏服で撮り直す。

EF50mmF1.2Lで撮影。F1.6で被写界深度浅めに撮っている。
EF50mmF1.2Lで撮影。F1.6で被写界深度浅めに撮っている。

写真を見返して思ったのは、ホント自分でも驚くほど色んなバリエーションで撮っていたなということだ。そして200mmの望遠を除いて開放では1枚も撮らず、少し絞るかF4やF5.6まで大きく絞っていた。正直、外付けHDDからデータを引っ張り出してきて見返すまで自分の撮った写真を忘れていた。しかも1日目途中からは風邪にうなされながら撮っていた。

昼の2時過ぎに雨が降り出したので、雨宿りもかねて一度今日泊まる旅館に赴くことにした。旅館に着くと大降りになった。熱で頭がフラフラするし鼻も出る。このままやまなければ今日の撮影はこれで終了かなと甘い期待を抱いたが、あれだけザーザー降っていたのが嘘のようにピタリとやんだので、撮影再開。

午後5時過ぎ、田後の路地へ。ここでも前回同様のアニメのシーンの再現を。

前回と同じくEF85mmF1.2Fで撮影。今回はF3.2まで絞っている。
前回と同じくEF85mmF1.2Fで撮影。今回はF3.2まで絞っている。

田後神社の方に戻り、再びシーン再現を撮影。

シーン再現。85mmをF2まで絞っている。手前の真琴と石段がくっきりと存在感を示す中で、おくのはるちゃんを程よくぼかしている。
シーン再現。85mmをF2まで絞っている。手前の真琴と石段がくっきりと存在感を示す中で、おくのはるちゃんを程よくぼかしている。

風景写真は大きく絞ってナンボだろう。F9まで絞って撮った。

田後の高台より海を望む。
田後の高台より海を望む。

田後公園展望台。おきまりのコースだ。前回と同じズームレンズで今回はF4まで絞った。

EF24-70mmF2.8Lで撮影。険しいロケ地でのシーン再現にはズームレンズが便利。
EF24-70mmF2.8Lで撮影。険しいロケ地でのシーン再現にはズームレンズが便利。

シーン再現写真を撮った後、元の田後港に戻る。ここでワチャワチャしているところを撮り、最後は前回と同じく記念撮影風に。

撮影終了。午後6時半。

車で旅館に戻る。海の幸をほおばる時間だ。何でも関ヶ原の戦いの時代1600年から続く老舗中の老舗の旅館だそうで、門構えもそれらしく古風めかしていた。

鳥取県岩美町は日本海に面した漁港の町である。ゆえに新鮮な魚介類が水揚げされてその日のうちに旅館に運び込まれてくる。実は僕は魚介類をあまり好まない。どちらかというと肉を好む、ハンバーグで育ったありがちな現代っ子だ。しかしこういう老舗旅館が出す海の幸は、うまい。ハズレがない。やはり新鮮だからだろう。ファミレスで出てくる安っぽい冷凍料理とはワケが違う。

ところが残念なことに僕の体力の限界はピークに達していた。海の幸を楽しむだけの余裕がなかった。旅館代、結構したと思う。僕は旅行はあまりしないインドア派なので、こういう海の幸を味わう機会は滅多にない。

料理を持ってきたご年配の仲居さんの「私どもも昔は落花生をこうやって摘みましてですね・・・・・・」と心安らぐトークも味わう余裕がなく、とりあえず熱にうなされた体を正常に保って、海の幸を口に持って行く。うまいのだが、顔が熱っぽい上に鼻が詰まっていて、味がよくわからない。岩美町で取れた岩牡蠣もある。ツルツルする。風邪さえ引かなければもっと味わえただろう。

岩美の岩牡蠣。プリプリしている。
岩美の岩牡蠣。プリプリしている。

そして今日ははるちゃんの誕生日ということで、サバ缶のパイナップルでお祝いすることになった。最後の力を振り絞って、クラッカーでお祝いするところと、皿にのせられた鯖パイナップルを撮影。食べ合わせが悪くないことを祈る。

蛍光灯がついた部屋の中での撮影は、オートホワイトバランスでは色温度が狂うので、2700kで撮影した。ようやく今日の撮影終了。旅館の自分の部屋に戻り、ふかふかの布団に倒れ込んだ。熱い頭を布団に打ち付けて寝そべったまま、テレビのスイッチをつける。テレビなど滅多に見ないのだが、久しぶりにお笑い番組を見て今日一日の疲れを慰めた。

風邪を引いた日でも無理して出勤するサラリーマンとはこういうものだろうか。風邪だろうが何だろうが頼まれた仕事は完遂する。これは日本人の特性なのだろう。だからあの敗戦の泥沼からここまで経済発展して高速道路を走らせ高層ビルを乱立させることができたのだ。

2日目につづく。