etoile studio

コスプレ撮影は楽??

コスプレに特化した代表的な季刊誌、コスプレイモード。

コスプレに特化した代表的な季刊誌、コスプレイモード。

コスプレ撮影は、楽であり、過酷であり、エキサイティングである。

一般的にポートレートを撮るとなると、モデルを見つけなければならない。モデル料も一万円くらいは必要だろう。オシャレなシティホテルで撮って欲しいといわれればホテル代も払わなければならない。クルマ出迎えに来て欲しいと言われれば、当然手配しなければならない。クルマがなければ現地までの交通費も負担しなければならない。こちらが撮りたい衣装があれば、衣装もこちら持ちだ。撮影が終わったらレストランで食事も奢らなければならないかもしれない。

まるでバブル時代の女を相手にしているかのようだ。逆手に取れば、ポートレートのモデルになれば、短命に終わり半ば神話と化しているバブル時代を擬似的に体験できるということでもある。

コスプレ撮影の費用負担の割合

ではコスプレ撮影はどうか。

コスプレ撮影の一般的な傾向として、費用は自己負担となる。レイヤーの交通費や参加費はレイヤー側で。カメラマンの交通費と参加費はカメラマン側で。といった具合に。

衣装はレイヤーが自分で用意する。撮影後にアフターもあれば、自分の分は自分で支払う。

費用負担について、特にコレといってルールが定められているわけではない。不文律の世界だ。場合によってはレイヤーがカメラマンの参加費、さらには交通費も負担しれくれる場合があるし、その逆もある。

スタジオ撮影に関しては、カメラマンからは頂かないという場合が多い。レイヤー同士で割り勘で済ますことが多いようだ。

カメラマンの費用の負担については、揉めることがよくあるようだ。揉めるなら、最初から募集の項目に、参加費・スタジオ代の費用負担の有無を記載しておけば良い。それでカメラマンがつくかどうかは、作品や容姿や衣装の好みに左右されることになる。

以前フレンドの女性レイヤーがカメラ要員としてスタジオ撮影に赴いた際に、スタジオ代の負担を求められたそうで、不満を零していた。同じ作品が好きな者同士で、同じ時間を楽しく共有しているから、カメラ要員も含めて皆で割り勘にしようというのが主宰の趣意だったそうだ。

だが普段レイヤーもやっていて、その作品が好きなら、自分もコスして撮って貰って、自分の写真を残したいというのは当然の欲求である。それをカメラ要員として誘ったのなら、その分差し引いて、レイヤーだけで負担するべきではないだろうかと思った。

体の良い割り勘要員として呼ばれるのを避ける為に、僕自身は募集の項目に、撮影で行く際には、こちらのイベント代・スタジオ代を負担して貰う旨を書き加えている。

結局の所、負担の割合に関しては、作品、容姿、衣装、カメラやレンズ、撮影スキル、ライティング技術、性格、親交の度合いなどの様々なバランス関係で成り立っているので、一概には言えない。最終的には気分の問題とも言えるだろう。

事前のセッティング面ではカメラマンは楽

コスプレ撮影の楽な面は、セッティングはコスプレイヤー側がすべてやってくれることだ。

レイヤーは自分たちで衣装を準備する。撮影場所もスタジオも自分たちで決めて自分たちで予約する。スタジオ代は大抵は折半か、レイヤーが全額負担してくれる。割り勘でも3,000~5,000円程度で済む。交通費やタクシー代まで出すと言ってくれる場合もある。

こちらは必要な機材を準備して待つだけ。スタジオを予約するなど余計な気を遣わずに済む。カメラのスキル向上だけに意識を集中出来る。最初はストロボがなくても構わない。カメラとズームレンズだけで充分だ。レフ板があればなお良い。その他の機材は必要だと思えば徐々に買い足していけば良い。

撮影時には、自分たちが好きな作品だから何も指示しなくてもポーズを取ってくれる。もしポーズに不満があるなら、指示すれば良い。

女性コスプレイヤーは男装も嗜む。写真の割合でいうと、女装と男装が半々だ。男性なら女性を撮りたいと思うのは、種の生存本能から来る当然の欲求だから致し方ないだろうが、カメラのスキルを上げたいのなら、また写真を撮るのが好きなら、男装を撮る事もお薦めする。

女性が自らの顔にメイクを施して男装した姿は、漫画やアニメなどの二次元の世界から異国風の瞳を輝かせたキャラクターが飛び出してきたかのようにリアルで美しくもある。

初めてのコスプレ撮影 初心者からベテランに至る過程

SNSでレイヤーに募集を掛けてみる。撮影実績がなければ数ヶ月間は反応はないだろう。女性は警戒心が強い(たぶん)ので、男性カメラマンを極度に疑う。何度かの連絡とキャンセルの後に、ようやく撮影の約束を取り付ける。

撮影後にSNSに自分の撮った写真が掲載される。あなたの機材とスキルが紡ぎだした写真が素晴らしければ、再び同じレイヤーからお声がかかることだろう。そのレイヤーにフレンドが多ければ、フレンド繋がりで撮影依頼が舞い込む。レイヤーがアップしてくれる撮影写真の枚数が増えれば、その写真を見て、撮影依頼をしてくる新規のレイヤーもいる。

そうしてフレンドが増えていく。はじめは閑古鳥状態だったのに、フレンドが増えれば増えるほど、関係も横繋がりで際限なく広がっていき、撮影依頼が引っ切りなしに舞い込むようになる。今まで選ばれていた立場のはずが、今度は依頼を選ぶ立場になる。

カメラやレンズなどの機材面ではシビア

楽な面ばかりでもない。

今まで200人以上のレイヤーさんを撮ってきて、レイヤーやカメラマンと色々とお話しする機会もあり、レイヤーがカメラマンに何を求めているのか見えてきた今日この頃。

持ってきたカメラがエントリー機だと、確実に失望させることになるだろう。なぜなら今の時代コスプレイヤーもエントリー機を所有しているからだ。要は見ず知らずの男に頼むくらいなら、自分たちのカメラで撮り合いしているだけで十分というわけだ。

撮影に呼ばれてエントリー機を持ってくる男に関しては、カメラマンとして参加する名目で一番安いエントリー機を買って、撮影中はピンショットしか撮らず集合写真は撮りたがらなかったのに、撮影後のアフターで熱心に女の子達に話しかけていた所謂出会い系の男の話も聞いたことがある。要はハズレを引く割合が高いということだ。

また、最近はストロボ撮影の需要が高まってきている。ハコスタジアムなどのコスプレビルが盛況を極める中、スタジオ内で写真を撮る際には、ストロボを使わないと肌が綺麗に撮れなかったりといった面に不満があるようだ。またストロボを使えば写真表現の幅が飛躍的に広がる。

建前ではAPS-C機でもいいと言っていても、本音を拾ってみると、「APS-C機を持ってくるカメラマンとか(笑)」という話もよく聞く。そのカメラなら自分たちも持っているから、撮り合いや三脚でなんとかなる。その上のクオリティが欲しい撮影の場合は、見ず知らずの男をわざわざSNSで募集したりはしない。

APS-C機やミラーレスでは綺麗に撮れないのではなく、ギャラリーに上がっている写真がフルサイズ機で撮った写真の方が圧倒的に綺麗で上手い割合が多いで、そのような傾向にあるということだろう。

余談になるが、ミラーレス一眼に関しては、カメラマン側が使いづらいという話を聞くようになった。女の子が街のスナップ写真を撮るオシャレアイテムとしては、小さくてハンドバッグにも収まりが良いのだろうが、性能の高いレンズを使ってきたカメラマンにとって、あの小型のボディに大きくて重いレンズを装着するのはバランスが悪くて使いづらいそうだ。売っぱらったという話も聞いた。

また、最近は男性カメラマンによるセクハラ事件も多発しているので、ハードルはより厳しくなっている。

それにカメラは見た目も大事である。自分の家庭的な趣味の範囲でならAPS-C機でも誰も文句は言わないが、一定のクオリティを求める相手がいるとなると、当然カメラの機種に関しても文句が出てくる。要は時間と費用の無駄にならないような写真を撮れるカメラマンを探しているわけである。

コスプレイヤーはよく蝶に喩えられる。その活動期間は短く儚い。美しい姿を一瞬のうちに燦めかせる。コスプレイヤーにとって時間は最も大切な要素だ。

データサイズとお渡し期限にご注意!

後はデータのサイズの問題もある。長辺が1200px程度の小さい写真を送ったら、確実に不満を持たれる。ツイッターやSNSに上げる程度だからこの程度の大きさで良いだろうと高をくくっていたら、裏でボロクソに言われることだろう。構図がいまいちならトリミングしなければならない可能性もあるし、広角の歪みを補正する際も写真のサイズが小さいと無理が出る。1200pxは名刺を刷るのにギリギリ描写が崩れない大きさだ。

また、ツイッターやSNSだけの用途とは限らない。紙の写真集に使いたいという人も大勢いる。様々な用途を考慮に入れて、フルサイズでのデータのお渡しは基本だ。レイヤー側からダウンロードの不便さやパソコンの処理能力が追いつかないといった理由でサイズの小さい写真を希望した場合に、リサイズして小さいサイズをお渡しすれば良い。

後はデータのお渡し期間。長くても1週間以内のデータお渡しが不文律となっている。レイヤー側の「いつでもいいですから~」は1日頑張って撮ってくれたカメラマンに気を遣っている建前に過ぎない。「さっさとよこせ」などと言えるわけがないだろう。最長でも1週間以内のお渡しを心がけたい。

RAWモードで撮影していたら、当然撮影から帰ってからのRAW現像が待っている。1枚1枚時間がかかるからJPEG撮って出しで渡せば良いというのは、甘えである。1000枚以上撮っても、RAW現像が2時間以内に終わらせられるよう、カメラスキルと現像スキルを上げれば良いだけの話だ。

1000枚以上の写真のRAW現像を、2時間以内に終わらせる最速テクニック

というわけで最近のコスプレ界隈の事情をさらっとおさらいしてみた。ここまで読んで無理だと思ったら、でもどうしても女の子が撮りたいのなら、お金を払ってモデル撮影会に行けば良い。手っ取り早いし、コンデジで撮ろうがミラーレスで撮ろうがAPS-C機で撮ろうが誰も文句は言わない。