神戸ルミナリエ – まほろば探訪 第26回

今年も無事開催された神戸ルミナリエ。
今年も無事開催された神戸ルミナリエ。

今年もやってきました神戸ルミナリエ。毎年開催されるたびに来年は資金難で開催されないとの噂が立つが、今年も無事開催された。その目的は阪神淡路大震災の犠牲者への鎮魂を込めたイベントと記憶している。あの震災からもう22年も経つ。

地元民は地元の観光名所には行かないということはあるだろうか。筆者自身、神戸北野の異人館も南京町も数年前に初めて行った。近いからいつでも行けるという思いが足を鈍らせる。気づいたらこの歳になっていた。

ルミナリエに足を運ぶのはおそらく今回で4度目。だって冬は寒いし、初めて行った時は風邪を貰ってきてしまって散々だったから、足が遠のいていた。カメラの趣味を始めてから暇を見つけては度々足を運んでいる。

18時から点灯。この時期になるとすでに辺りは真っ暗。大丸が淡い緑色にライトアップされ、街路樹はイリュミネーションで飾られている。街の姿はすっかりクリスマスだ。

映画館で映画を観てからジュンク堂で本を探し、時間が来たので外に出たらすでに柵で交通規制が敷かれていて長い行列ができていた。普段では見ることのない行列が視界を横切る。

風は冷たかった。しかしカイロを持って来ていたし、防寒対策はバッチリ。風が直接肌に当たる部分が冷たい程度。行列は長かったが苦にはならない待ち時間で早々にルミナリエが見えた。警備にも趣向が凝らされていて、ゆっくり行きましょうという曲が流れたり、警備員がしきりに止まらないでくださいと促していたり、一定間隔でゲートを閉じて混雑を緩和したりと統制が取れていた。

大きな光の門。
大きな光の門。

少々の混雑ではあったが、自由に動けないことはない。皆スマホやタブレットを頭上に掲げて写真を撮っている。この光景も10年後には別の光景に取って代わられるのだろうか。

光の壁に囲われる。
光の壁に囲われる。

それにしてもルミナリエ綺麗。毎年異なるデザインの電飾で飾られるそうだ。イベント継続のための募金活動も行われており、学生らしき人たちが100円募金を呼びかけていた。とてもありがたい光景を見せてもらったので、寺社仏閣のお賽銭の気持ちで募金箱に100円入れる。すると小さな紙切れをもらった。よく見ると数日後に封切りとなるスターウォーズ最新作の広告が。これは絶対観に行かなければ!

光のアーチを人々がゆく。
光のアーチを人々がゆく。

とても綺麗な光のアーチを抜けると、広場に出る。ここにもとても美しい光景が広がっている。心躍りながら写真を撮っていたら、2組のカップルから声をかけられて写真を撮ってくれるよう頼まれた。最近の観光地ではセルフィーやスマホの自撮りが主流だから声をかけられることも少なくなった。こうして声をかけられるのは嬉しい限りだ。1組はスマホ、もう1組はデジタルカメラ。フラッシュがなかなか光らず3人でカメラの設定に悪戦苦闘してようやく撮影。なんだか楽しい。

皆思い思いに写真を撮っていた。
皆思い思いに写真を撮っていた。

山の方を見ると、KOBE 150のライトアップが。今年は神戸開港150周年で様々なイベントが開催されている。仮設の白いテントではルミナリエの写真で包装されたお土産がたくさん売っていた。試食もあるので色々巡って食べ比べ。ブラタモリで紹介されたという甘い煎餅を売っているお店で、洋菓子を買った。

市役所の24階の展望室からもルミナリエが見えるという看板を見て、行ってみることに。展望室といえば東大阪市役所に東大阪ジャンクションの夜景を撮りに行ったことが思い出される。神戸市の展望室からはどのような夜景が拝めるのだろう。

エレベーターで昇ってみると、下の方に先ほどまで自分がいたルミナリエが見える。左の方にはFateの聖地にもなった赤い神戸大橋、右の方には神戸ハーバーランドの観覧車や神戸オリエンタルホテルが見えた。観光客たちが口にしていたのは、今話題の世界一のクリスマスツリーがどこにあるのかということだった。アレかしらアレ、という感じで会話が弾んでいる。

神戸市役所24階の展望室から見下ろしたルミナリエの会場。
神戸市役所24階の展望室から見下ろしたルミナリエの会場。
三ノ宮駅周辺の夜景。山には三つの電飾が灯っている。
三ノ宮駅周辺の夜景。山には三つの電飾が灯っている。

一通り見終わったので、帰路に着く。六甲山に輝くKOBE 150の文字。なんだか時が過ぎるのはあっという間だ。一切が過ぎ去っていく。