etoile studio

雨に見舞われる日々

雨はカメラマンにとって最大の恵みとなる。model:Kosuke

雨はカメラマンにとって最大の恵みとなる。model:Kosuke

撮影に行くとよく雨に見舞われる。京都の太秦映画村で2日間開催された「太秦上洛祭り」が連日雨だったり、翌年の同じイベントも雨だったり、なぜかコスプレ撮影の予定が入っている日は雨が降ることが多い。

農業を営んでいる人と同じく、カメラマンにとっても、雨は天の恵みだ。ストロボを使えば印象的な絵を撮る事が出来る。たとえ機材が雨に濡れようとも果敢に雨の中に飛び込んでいく。

この日は昼過ぎから降り出した。場所は旧小学校の校舎。天気予報では70%雨と言っていたが、まさかこんなに降りが強いとは思わなかった。空はどんよりと曇っているし、校舎の中で撮るのもなんだか乗り気じゃない。

屋上に行こうかという話になって、寝不足であくびをしながら撮影していた僕のテンションは急に上がった。

外はもう薄暗くなってきていた。ストロボをセットする。カメラの設定を整えて、レイヤーさんにポーズを取ってもらう。アシスタントはいない。僕一人で申し訳程度の雨よけの屋根の下から、カメラを構えてシャッターを切っていく。

本日のベストショット。model:kosuke & Asa

本日のベストショット。model:Kosuke & Asa

初っぱなから予想外にいい絵が撮れた。使用しているレンズはOtus1.4/85。防塵防滴機能がないので雨に濡らすわけにはいかないが、屋根からしずくがポッタポッタポッタポッタ落ちてくる。雨足もそこそこ激しい。カメラとレンズが水滴だらけになる。

ハンドタオルを2枚しか持ってきてなくて、2灯のストロボに雨避けとして使っている。2灯ともキヤノンの600EX-RTなので防塵防滴仕様になっており、多少の雨でも安心して使用する事が出来る。

雨撮影の時は後1枚タオルが必要だ。レイヤーさんの持っていたハンドタオルを借りる事にした。レンズの上にのせて雨がピントリングを伝ってレンズの中に入らないようにする。

開放で撮るべきか少しだけ絞るべきか迷ったが、シャープさが欲しかったのと、ピントを合わせるのが難しかったので、F1.8まで絞った。暗くて被写体が見えないので、ピント合わせはファインダーではなく、ライブビュー。ストロボとトランスミッターをオンにしてAFボタンを押すと露出シミュレーション機能も上手く働いてくれたので、ノイズが多くて見づらいものの、なんとかピントを合わせる事が出来る。

背景の雨の色もキャラクターに合わせて変えてみる。

レイヤーも雨の中頑張ってポーズを撮る。model:Asa

レイヤーも雨の中頑張ってポーズを撮る。model:Asa

レンズも雨撮影の時に必ず使っている200mmの単焦点に変えて撮っていった。すでに辺りは夜だ。暗さがネックとなる。手ブレしないシャッタースピード1/320秒の設定ではストロボの光が急激に暗くなるし、雨粒を正円の丸ボケで写したいF4の設定では、ISO感度を3200以上は上げなければならない。ノイズが気になる数値だ。そこでシャッタースピードを敢えて1/100秒にしてしゃがみ込み、両膝の上に肘を乗せて、両手で抱えているカメラを安定させる。この体勢でなんとかブレずに撮る事が出来た。

手ブレ防止機能のない200mm望遠レンズでシャッタースピード1/100秒でも、カメラをしっかりと構えれば手ブレしない。

手ブレ防止機能のない200mm望遠レンズでシャッタースピード1/100秒でも、カメラをしっかりと構えれば手ブレしない。

気がついたらカメラバッグも着ていたおニューのパーカーもビショビショ。二人は衣装なので私服に着替えることが出来たが、僕は全身濡れたまま二人が私服に着替え終わるのを待ち、サイゼリアに行き暖を取った。そのときに聞いた話によると、二人ともびしょ濡れで更衣室に帰った時、周りの女の子達が一斉にギョッとした目で見てきたそうだ。

雨撮影は過酷である。が、とてもいい写真が撮れるので楽しい。家に帰ったら濡れた機材の手入れが待っている。