ソフトボックスはミニだが役に立つ -集合写真で使えるミニソフトボックスライティング-

小型ソフトボックスは痒い所に手が届くマストアイテムだ。
小型ソフトボックスは痒い所に手が届くマストアイテムだ。

大型撮影の時には、大型のソフトボックス2個と、アンブレラを持って行く。3灯で大人数を満遍なく照らすのだけれど、大型ソフトボックスとアンブレラには難点がある。

余りに機材が大きいと写真に写り込んでしまうのだ。じゃあ写り込まないように写真のフレームの外側に来るように設置すれば良いじゃないかと思うかもしれない。しかし事はそう簡単ではない。

次の1枚の写真を見て頂こう。あなたはこの1枚を見て、どのようにライティングを組むだろうか。

四人バラバラに位置している全員を均等に照らすライティングは至難の業だ。
四人バラバラに位置している全員を均等に照らすライティングは至難の業だ。

撮影場所はスタジオユニット阿波座。自然光は一切なしで、ソフトボックスストロボだけで4人のモデルを明るく照らしている。

4人の位置は前後バラバラだ。手前の三人はいつものソフトボックスで照らすことが出来るが、奥にいる囚われの警官を照らすには、頭を捻らせる必要がある。

まずはカメラとレンズの設定を見ていこう。大きく前後する被写体全員を暈かさずクッキリと写すために、カメラの絞り値はF11まで絞っている。ズームレンズの焦点距離も37mm、暈けにくくかつ端の人物に歪みが生じないギリギリの焦点距離だ。シャッタースピードは1/80秒、ISO感度は500。

警官を照らすためにソフトボックスを置いてしまうと、確実に写真に写り込んでしまう。かといってフレームアウトするくらい被写体から離しすぎると光量が弱くなり、充分に被写体を明るく照らせない。

ドラム缶で隠すように小さいアンブレラを設置してみてはどうかとやってみたが、これもダメだった。アンブレラというのは小さくても意外と大きい。ドラム缶からはみ出して写り込んでしまう。

そこでカバンから取り出したのが、先日購入したミニソフトボックス。中型三脚にストロボを取り付けて、ミニソフトボックスを填め込み、ドラム缶の奥に置いたら、見事に隠れた。無事全員の顔の明るさを均等に写すことが出来た。

お値段以上の価値アリ!小型ソフトボックスで綺麗に撮れる夜撮影写真!

このミニソフトボックス、カバンに1つ忍ばせておくといざというときに役に立つ。小さくて軽く、薄く折りたためるので携帯性にも優れている。

レイヤーさんに「ユージさん、どんな風にでも撮ってくれるよ」とハードルを上げられて焦ったが、このミニソフトボックスのお陰で、巧くライティングを組むことが出来た。