ライブステージでストロボとLEDライトを駆使してリアルなライブ風に撮る方法!

ストロボやクロスフィルターを使って、ライブスペースの雰囲気を自分の好みに作り替える。
ストロボやクロスフィルターを使って、ライブスペースの雰囲気を自分の好みに作り替える。

ハコアム大阪の4階が大幅改装されてから、レイヤーさんから行こう行こうと誘われる事が多くなった。2月は計4回、チケット代としてハコアムに12,000円ほど落としている計算になる。3月以降の未定の予定も2件控えている。

ライブ仕様の撮影ブースが遂に出来た。ラブライブ!の9人揃った大型併せも出来そうなほどスペースが広い。今回撮影させて頂いたレイヤーさんお二人は、アンスタ併せという事で、いの一番にライブスペースに行ってきた。

前にも一度、ユーリ! on iceのコスプレをこの場所で撮った事があるのだけれど、やはりまだ二度目なので、どう撮ったら良いのかライブ仕様の内装を前に迷う。

前回はスケートリンクの会場風に撮って欲しいという事だったが(ライブスペースなのでかなりの無茶ぶりな要求だったのだけれど)、今回はようやく本来の目的として、ライブ風に撮れるというわけだ。ワクワクする。

さて、どう撮ろう。といつも迷う。あんスタは名前は知っているけれどゲームはやった事がない。作業ゲーと聞いているからなかなか食指が伸びない。そもそも最近は据え置きゲームもやらないから、スマホゲームは言わずもがな。

実はあんさんぶるスターズ! 公式ビジュアルファンブックを電子書籍で買った(今現在は紙のみ販売中)。撮影用の資料としてではなく、読みたかったから。なぜ紙ではなく電子書籍だったかというと、まずスペースを取らない、タブレットが枕元にあれば寝転がってる時でも起き上がって本棚に手を伸ばす事なくデータが取り出しやすい(カッコいい言葉で表現するとアクセシビリティに優れている)、スマホやタブレットで持ち運びできるから、スタジオや電車の中など時間の空いている時に開いてキャラクターを把握できる、ちょうどクーポンが配布されていたので、紙verの半額で購入する事が出来た、などなど。これらの理由で最近アニメや漫画関連の冊子はすべて電子書籍で購入している。

前にも撮った事がある衣装だから、だいたいキャラクターは把握できている。しかし名前がパッと浮かんでこない。キャラ名で呼べない。アイドルネームは難読な名前が多いので、間違えたら失礼だ。だから指示を出す時はコスネームで呼ぶ。もしくは初対面でコスネームが覚え切れていない子の場合は「右の子」とか「真ん中の子」といったように距離感を置いた呼び方をする。

ライブ風に撮る時に忘れてはならないのが、斜め撮りをする事だ。ライブ風の写真を真っ直ぐに撮ってしまうと、躍動感が生じない。お行儀の良さが求められる風景写真じゃないんだから、斜め撮りを多用したいところだ。

どちらの方に斜めに傾けたら良いのか、なんてことは考える必要はない。両方傾ければ良い。傾きの角度は?それもいちいち考えている暇があるなら実践すれば良い。

斜め撮りに関しては、線を引いて被写体が垂直もしくは水平になる方という考え方もあるが、ライブシーンに関してはそんな頭の硬い考えは捨てた方が上手く行く。不安定だろうが何だろうが恐れず斜めに傾けてみれば良い。習うよりも慣れろだ。本家のイラストだってそんな些細な事は全然気にしていない。

とりあえずピンショットでテストショットを何枚か撮ってみたが、少し淋しい。前回撮った時、ピアノを弾いている感じで撮って欲しいと言われたキャラだ。スタジオのキーボードを運んで来てくれたのだが、背景が黒のカーテンなので色を付ける事にした。聞いてみると赤が良いという。何枚か撮ったが背景の黒が余りすぎているので光量を強める。とりあえずデータ確認して貰ったが、本人はとても満足しているようだった。

もう一人の子に交代。二人のコスしているキャラのどちらかの名前に、ある漢字一文字があった事が思い浮かぶ。確か朱だ。ウィッグの色や衣装からも赤が基調のイメージかなと想像がつくが、本人達にどう撮って欲しいのか聞くのが一番だ。背景に少し余裕があって淋しい感じがしないでもなかったので、要望を聞いてみる。

スマホを取り出して、公式のイラストを見せて貰う。キラキラに撮って欲しいと言われる。イラストのように全体的にキラキラは無理だが、クロスフィルターをつければ何とかなるかもしれない。そこで着けて撮ってみて、データを見せたら、甲高い声で凄く感激された。何とかすれば何とかなるもんだ。

クロスフィルターを付けて、LEDライトの照明をキラキラに。
クロスフィルターを付けて、LEDライトの照明をキラキラに。

以前別のスタジオでの撮影で、LEDライトを明るくする方法を会得したので試そうとしたが、ハコアムのLEDライトは上下には角度を変えられるが、左右には無理だった。硬いプラスチックの紐状の物で結んで固定してあるだけだ。というわけでカメラ側をLEDライトに合わせなければならなくなったが、向きがレンズと合わず、上手く光を増幅してくれないLEDライトもあるので、そこは諦めるしかなかった。

撮り進めてはデータを確認しを繰り返していく。何度目かのデータ確認で、「出来ればピアノが写っていて欲しい」と指摘される。あぁそうだった、ピアノが弾けるキャラの子だった、ウッカリ忘れてた。何の為にキーボード運んできて貰ったんだ。『人の話はきちんと聞きましょう』。聞いてるのだけれど右耳で聞いた事がそのまま左耳に出て行く性分なので、まぁ仕方がない。

今度は注意してキーボードも入れて撮ろうとするが、なかなか写りこまない事が判明した。ということでキーボードの白い鍵盤が見えるように上から撮る。それでも配置的に写り込まないので、斜めに傾けて撮る。すると良い感じで写真の右下に白い鍵盤が写り込んでくれた。イラストの雰囲気が出てるかも知れない。どんなイラストだったかチョット記憶が薄れかけているけど、たぶんこんな感じだったと思う。

脚立に乗って上から撮ることでキーボードを入れ、更に手前の子をボカす。
脚立に乗って上から撮ることでキーボードを入れ、更に手前の子をボカす。

二人クッキリに撮ったり、片方を暈かしたりと、レイヤーさんのアイデアで撮り進めていく。カメラマンはレイヤーの要望に応えられるよう、引き出しの中からシーンを再現する為のスキルを引っ張り出せば良い。