etoile studio

Zeiss Otus1.4/85で最高の写りを

開放で撮ることの愉しさを美しい写りで教えてくれるOtus1.4/85

開放で撮ることの愉しさを美しい写りで教えてくれるOtus1.4/85

世界最高峰の一眼レフレンズを謳うOtusでの作例を当ブログでも何度か紹介してきた。その言葉の意味するところは、開放での様々な収差を徹底的に排除した描写力にある。開放からシャープな写りで中判カメラを彷彿とさせるレンズと言われている。

初めてOtus1.4/55を1DXに装着して試し撮りした時に、背面の液晶画面で撮影したデータを見ただけで、写りの違いを感じ取ることが出来た。たかだか50mm開放F1.4の単焦点レンズに40万もつぎ込むなんてと最初は思っていたが、いざ購入して撮ってみると、今までのレンズとは写りが全く違う。その写りに感動したのを覚えている。

Canonの単焦点Lレンズは写りの良いレンズだが、開放F1.2で撮ると、レンズの収差、特に輝度差の激しい部分では強いパープルフリンジが出るという欠点があった。筆者は85mmF1.2や50mmF1.2を使って開放で撮ることが何かと多く、例えば人物の黒髪と空の境界や、鼻と背景の境界にパープルフリンジが出現して写真の描写を損ねていることに、少なからず不満を覚えていたのだった。

DPPを使えば、それらの収差を幾分かは緩和することが出来るが、それでも開放F1.2で出てきてしまうパープルフリンジは図太い。そう容易に消せるものではないし、あまり強く補正しすぎると、今度は別の部分の色が変わってしまうので、何かと難儀なのだ。

というわけなので、Otusを手に入れたことで、開放での撮影で生じる収差やパープルフリンジから解放され、より美しい描写を手に入れることが出来たのだった。

しかしこういう高級レンズを長く使っていると、その有り難みが薄れたりもするし、実際モデルからも、どっちでも変わらないんじゃない?と言われることもある。初めて手にした時の感動もだんだんと薄れていき、美しい描写性能が当たり前となってしまう。

先日、そんな寝ぼけた状態からふと起こされるような写真を撮ることが出来た。京都にあるスタジオサイトルでOtus1.4/85を使って逆光で撮った時だ。

暖かい色合いが物語を紡ぐ。

暖かい色合いが物語を紡ぐ。

元々このスタジオは自然光を使って綺麗に撮れると、面識あるなしにかかわらずコスプレイヤー達が口を揃えて言っていたスタジオだったが、どうも筆者は自然光を上手く使い切れないことが多かった。今回スタジオサイトルではおそらく5度目の撮影だったと思う

オリジナル創作の良いところは、コスプレ写真と比較して自由に撮れるところだ。衣装を見て、テーマを聴いて、自分の頭の中で好きなように物語を組み立てられる。もちろんモデルの意見も取り入れつつ、世界観を引き出すために、持て余しているスキルを際限なく発揮する。彫刻家が石から魂を引き出すように。

ストロボを使わず、自然光だけで撮る。レフ板も使っていない。もしこれが通常のレンズなら、ブーケや鼻筋や舞い降りる羽根や窓枠などに、紫色の偽色、所謂パープルフリンジが出ていたことだろう。それらを一切排除した自然光のみの美しい写真を久々に撮ることが出来た。