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キヤノンLレンズとSonyの4Kテレビ、悩ましい選択

Canon EF24-70mm F2.8L II USM。これ1本のお値段で4Kテレビが買える。

Canon EF24-70mm F2.8L II USM。これ1本のお値段で4Kテレビが買える。

昨日映画を観た帰りに、梅田のヨドバシカメラにふらっと立ち寄ってみた。いつの間にかゲームやアニメグッズを売っているフロアが3,4階からゴッソリ地下に移っていたりと様変わりしていたが、カメラコーナーは相変わらず2階にあった。

最近24-70mmの通しF2.8のズームレンズが欲しくて狙っている。F4ズームを持っているのだけれど、どうも画質に満足できないし、先日WTCで撮影してたら、F4では明るく撮るには使えないと分かった。そこでF2.8が恋しくなってきたというわけだ。

製品名はCanon EF24-70mm F2.8L Ⅱ USM。お値段は約19万円。高い。しかしカメラという趣味を始めてから、どうも金銭感覚が狂ってきたというか、貯金がどんどんなくなっていくというか、Otusのような40万50万する超弩級のレンズを通過してしまうと、20万のレンズすら安く感じてしまう。

そんなまやかしから醒めるときがある。ヨドバシのTVコーナーに足を運んだときだ。話題の4KTVが所狭しとズラッと陳列されている。映像もとてもキレイ。今までのハイビジョンTVって一体何だったんだと思わせるくらいだ。PS4の画質もうちの失敗自作PCの唯一のレガシーとなっている13万円のモニターとは偉い違いだ。PS4ってこんなに画像キレイなんだと溜息が出てしまう。

値段をよく見てみたら、今狙っている高級レンズとだいたい同じ。4Kテレビが20万とあと数万円足したら、買えてしまう。60万円以上する夢のサンニッパなら60インチ以上の大画面すら買えてしまうんじゃないだろうか。

レンズって、20万円する高級品でも小さい。手のひらに収まってしまう。それをカメラに取り付けて写真を撮る。綺麗に写っている。それだけ。一方テレビは同じ値段でも大きいし、迫力のある映像体験が出来る。

レンズを買うこととテレビを買うことの違いは何だろう。レンズを買うという事は写真を撮るということだ。自分の頭で考え、計画を練り、足を運び、写真を撮り、作品を残す。主体性のある活動だ。

一方テレビは受動的だ。テレビ番組を観たり、映画を観たり、ゲームをしたりする。

どちらが良いかは優劣がつけがたい。人間には娯楽も必要だし、物語に感動することも人生の大切な要素の一つだ。

一つ違いがあるとすれば、高級テレビはどれだけ高性能でも数年で値崩れするが、高級レンズは値崩れしにくい。数年前にヨドバシカメラで4Kテレビを観たときは、30万円台か40万円台はしたと思う。それが今では20万円台に値下がりしている。

更に言えば、10年くらい前にブラウン管型のハイビジョンテレビは15万円はしていた記憶がある。その頃は店頭で観て家のテレビよりも綺麗な画像だと感じたが、今から振り返ってみると、とても4Kテレビの画質には及ばない。

人間は前から欲しかった製品を買って感動を味わうと、その製品に慣れて飽きてしまい、もっと刺激の強い感動体験を望むようになる。テレビがその良い例なのではないだろうか。アナログからデジタル、ハイビジョンから4K、更には8Kまで。記録媒体も同じだ。VHSビデオからDVD、DVDからBlu-ray、更に次の新規格へ。その都度感動しては更にキレイな画質のテレビや記録媒体が現れると、今使っているテレビの画質や円盤に満足できなくなる。昔はVHSビデオで購入した海外ドラマですら、ブラウン管テレビで再生してキレイな画質だと感動していたのに。

一眼レフ用の高級レンズは値崩れしない

高級レンズが値崩れしにくいのは、テレビと比べて新製品のサイクルが長いというのもあるかもしれない。レンズの中には20年ぶりにリニューアルされた製品もある。リニューアルされれば旧製品の相場は半額くらいまで値下がりするが、息が長い高級レンズは発売当初は高い値段で推移するものの、ほとんど値が下がらない。中古でも高く売れる。

高級レンズに反して、高級カメラは新製品発売後しばらく経つと値崩れを起こしやすい。ある一定の下値水準は保っているが、それでも発売日よりは結構お得なお値段まで値が下がる。

カメラもレンズも4Kテレビも欲しい。しかし実際に手に入れてしまうと、物欲が満たされ、所有しているのが当たり前のこととなり、物淋しい気持ちになる。こうやって欲しい欲しいとあれこれ頭の中で夢を描いてワクワクしている間が一番幸福なときなのかも知れない。