スタジオ撮影ではズームレンズが必須なワケ

スタジオ撮影では、明るい大三元ズームレンズならなお良い。
スタジオ撮影では、明るい大三元ズームレンズならなお良い。

スタジオ撮影に行く際には、24-70mmのズームレンズを携帯していくことをお薦めする。特に初めて行くスタジオでは。ここではフルサイズ機での焦点距離を基準に話を進めていく。APS-C機をお持ちの方は、当記事に記されている焦点距離を0.66倍(キヤノンのAPS-C機を使用の場合は0.62倍)にして読み進めて頂きたい。

まず初めて行くスタジオは、広さが分からない場合が多い。スタジオのホームページに掲載されている写真を見て、感覚的に広さを測ってしまうと、後で後悔することになる。狭いスタジオでも広角レンズで撮れば広く見えるので、50mmの標準レンズで撮れそうだと過信してしまう(APS-C機の場合は焦点距離35mm前後のレンズ)。

実際にはウエストアップでの撮影がギリギリだったりすることもある。全身を入れようと縦構図で撮ろうとしても、距離が取れずにギュウギュウ詰めの余裕のない構図になってしまう。

こういう難事に重宝するのが、24-70mmのズームレンズだ。焦点距離を35mm前後に設定すれば、狭いスタジオでも広々と撮れる。標準の単焦点レンズだけだと難儀していたことだろう。ズームレンズはスタジオ撮影の救世主だ。

注意したいのは、超広角ズームレンズを使うと、標準ズームレンズよりも歪みが大きくなる点だ。それに周辺の解像感も比較的悪く、像が流れやすい。特に集合写真では端に写っている人が被害を被る。持って行くなら標準ズームレンズ、サブで超広角ズームレンズで、歪みを活かした広々とした写真を撮ると良いだろう。

またズームレンズは、画一的な構図からの脱却にも一役買う。やはり狭いスタジオだと単焦点レンズで撮ると同じような写真になってしまう。ズームレンズで歪みを活かした24mm、無理なく撮れる35mm、歪みのない50mm、望遠ぎみの70mmと様々な焦点距離で撮ることで、同じスタジオ内でも、印象の異なる写真を撮ることが可能だ。