魚眼レンズでワンちゃんを撮ってみた! レンズによるペットの表現方法の違いを比較!

魚眼レンズを使えばワンちゃんを可愛く撮れる!
魚眼レンズを使えばワンちゃんを可愛く撮れる!

半年ほど前の夏の暑い盛りに友達のワンちゃんを撮らせて貰ったのだけれど、さて、人様のペットを呼ぶときはなんと呼べば良いのか、ふと迷ったりした。まずストレートに犬。距離感を保ってみたが、これだとなんだか呼び捨てみたいで冷たいし、失礼に思われるかもしれない。小さな「っ」を入れて「いっぬ」はどうだろう。ツイッターでよく見かける当世はやりの呼び方。しかしこのいっぬという言葉、何ら違和感がなくスムーズに受け入れられた。きっと下地ができあがっていたのだろう。女子高生の間で流行っている謎の言葉「マジ卍(まんじ)」もそうだが、言葉は生き物でもあり流行でもある。あの流行語は、平安時代に清少納言が記した枕草子にこれでもかというくらい頻繁に出てくる「いとおかし」と似たようなものなのではないだろうかと僕は考えているのだけれど、果たしてどうだろう。方や平成時代、戦争のない平和ボケした時代、教室やカラオケボックスでの女子高生の集まりと、方や平安時代、戦争のない平和でのどかな時代、貴族の邸宅に仕える女房たちの集まり、どことなく雰囲気は似通っていたのではないだろうか。日本独自の文化が華咲いた時代であることも、時代の空気に共通点がある気がしてならない。

さていっぬ、おどけた感じを出して少し距離感を縮める効果を狙うが、ふざけているようにも感じられて、これも人様の犬を呼ぶ際には失礼に思える。犬の名前で呼んでみようか。しかしなんだかこっぱずかしい。ワンちゃんはどうだろう。男がワンちゃんと呼ぶのはなんだか女々しい感じもする。やっぱり名前で呼ぶのが失礼に当たらないだろうか。まぁワンちゃんでも良いか。

ペットという呼び方もどうも抵抗感があるのだが、同じようにいつも一緒に撮影に行ってる女の子のことを、被写体とかモデルとかいう言い方をするのにも抵抗感がある。なんだか冷たくて物みたいで、血の通っていないものを形容するような完璧な距離感のある言い方だ。このブログでは撮影方法を紹介するのがメインなので便宜上そういった言葉を使っているが、だいたいブログの記事を書いているときは、何かこれらに変わる温かみのある言葉はないものかと逡巡したりしている。

話が大きく逸れてしまった。

この日はレンズを5本持ってきていた。ワンちゃんは動くからいつも使っているマニュアルフォーカスのみのレンズは防湿庫において、キヤノンのAFレンズで出動。

  • Canon EF50mm F1.2L USM
  • Canon EF85mm F1.2L II USM
  • Canon EF200mm F2.8L II USM
  • Canon EF24-70mm F4L USM
  • Canon EF8-15mm F4L Fisheye USM

といったラインナップ。最後に魚眼を選んだのは、一昔前に魚眼レンズで撮った犬の写真集が大ヒットした記憶があったからだ。「犬 魚眼」で画像検索すれば白ホリゾントで撮影された犬の写真が出てくると思うのでそちらを参考にしていただきたい。魚眼レンズを使ったらあのとき流行った写真みたいに可愛くワンちゃんを撮れるかもしれないという期待を胸に抱き、いざ公園へ。

レンズを使い分けてペットの表現を変えてみる

望遠レンズは、よく動物の写真で望遠レンズを使って撮っているのを見たことがあるから、とりあえず持ってきた。しかし上手くいくだろうか。多分ああいった写真は手ぶれ防止機能もついているサンニッパあたりで撮っているんじゃないだろうか。

200mm | M | 1/320s | F4 |  ISO400 | trim
200mm | M | 1/320s | F4 | ISO400 | trim

飼い主さんの方は写真を二分割してトリミングさせて頂いたのだけれど、本来は横長の写真で、飼い主さんが左側に写っている。これが望遠レンズで撮ったらとても良かった。愛情溢れる写真となった。次の写真。

200mm | M | 1/320s | F4 |  ISO200 | trim
200mm | M | 1/320s | F4 | ISO200 | trim

F4でも200mmの望遠だから背景がよくボケてくれる。やはり背景がボケると、飼い主と犬との間に物語が始まる。

この日は通しF4のズームは使わず単焦点レンズでばかり撮っていた。単焦点レンズばかりなのは、背景をぼかしたいから。しかしワンちゃんに近づきすぎると、背景どころかワンちゃんの顔も目以外がぼけてしまうのが難点だ。50mmや85mmのレンズでF3.5やF5.6位まで絞り込んだが、近づくとぼけてしまう。人間の顔は平べったいけれど、犬の顔は鼻と口が前に盛り上がって突出している。

50mm | 絞り優先AE | 1/125s  | F5.6 | ISO100 | 1+2/3 | trim
50mm | 絞り優先AE | 1/125s | F5.6 | ISO100 | 1+2/3 | trim

浅い被写界深度だと、飼い主もボケないように撮らなければならない。結局コスプレの集合写真と同じ要領で、人間と犬、横一列に顔を置いて貰うという方法をとって貰うこともしばしば。

50mm | 絞り優先AE | 1/160s  | F5.6 | ISO100 | +1 2/3 | trim
50mm | 絞り優先AE | 1/160s | F5.6 | ISO100 | +1 2/3 | trim

撮影ごとにお友達の飼い主さんに写真データを確認して貰うのだが、犬も一緒になって液晶画面をのぞき込む。果たしてこのワンちゃんは、液晶画面に映っている犬が自分であるということに気づいているのだろうか。

念願の魚眼レンズで撮ってみた!

さてさて、魚眼レンズ。そもそもこのレンズは何で買ったかと言ったら、コスプレ撮影用に買った。あと名誉あるアワードを獲っていたのできっと良いレンズだろうということで買った。11万円くらいだっただろうか。実際ほとんど出番がない。しかし最近は風景写真を撮るようにもなったのでちょくちょく活躍している。今回のようにお犬様の写真を撮るときには是非とも持ち出したいレンズだ。対角線魚眼に加えて円周魚眼の機能も備わっているし、コンパクトで軽い。良いことづくし。

犬も未知の物に興味を示す。魚眼レンズを近づけると、黒い鼻を近づけてきてゴッツンコ。涎みたいなのがレンズについちゃったからペーパーでふきふき。まずは円周魚眼で撮ってみた。

8mm | M | 1/100秒 | F5.6 | ISO100
8mm | M | 1/100秒 | F5.6 | ISO100

そうそう、こういうお鼻がおっきく写っている写真。しかしいっぬが豪快に動くので、ブレてしまう。1/100秒では駄目か。もう一枚、ブレていない、構図も完璧な可愛い写真も撮れたのだけれど、飼い主さんのお顔が写っているのでブログでは割愛。

次に対角線魚眼。可愛く撮れた。

15mm | M | 1/125秒 | F7.1 | ISO640
15mm | M | 1/125秒 | F7.1 | ISO640
15mm | M | 1/200秒 | F7.1 | ISO640
15mm | M | 1/200秒 | F7.1 | ISO640
15mm | M | 1/400秒 | F4.5 | ISO640
15mm | M | 1/400秒 | F4.5 | ISO640

ちょっとおねむなのかな。それにしても鼻を強調した写真を撮ろうとする際に鼻にピントを合わせるのが難しい。そこそこ動くし、黒いからだろうか。

15mm | M | 1/400秒 | F4.5 | ISO640
15mm | M | 1/400秒 | F4.5 | ISO640

犬を撮るときの彩度、ピクチャースタイル、ホワイトバランスは?

ところでワンちゃんの写真の彩度はどれくらいが良いと思いますか?僕は初めてペット撮影をしたので、犬の写真集も見たことがないし、冒頭でも言ったようにネットでは昔魚眼レンズで撮影された犬の写真を見たことはあるけれど、確か白い犬がメインだった気がする。そもそも昔すぎて記憶にほとんど残ってない。

どれくらいの彩度がお好みか、これは最終的には依頼主の飼い主さんに委ねられるだろう。でもここでは彩度2や3にしておいた。ピクチャースタイルは、無難にスタンダードにしておいた。風景でも良いような気がするが、飼い主さんが一緒に写っている場合は飼い主さんの顔の色もオレンジっぽくなるから、やはりスタンダードが無難か。

ホワイトバランスはオートで、毛もふさふさですしちょっと暖かい感じの色にしたかったから、ホワイトバランス微調整で、1.5斜め右上に。関数風に表現するなら、x軸に1.5、y軸に1.5。

85mm | M | 1/500s | F1.6 |  ISO100 | trim
85mm | M | 1/500s | F1.6 | ISO100 | trim

それにしても可愛かった。また撮りたいなぁ(チラッ、チラッ