etoile studio

Canon EF85mm F1.2L II USMで圧倒的な解像感を得る

model:Maisu | Canon 1DX | EF85mmF1.2L USMⅡ | AWB | M | F2 | 1/640s | ISO:100 | Portrait | Raw:DPP

model:Maisu | Canon 1DX | EF85mmF1.2L USMⅡ | AWB | M | F2 | 1/640s | ISO:100 | Portrait | Raw:DPP

カールツァイスのOtus1.4/85を購入してから、もっぱらマニュアルフォーカスのレンズで撮影していたのだが、夜撮を敢行することになり、夜の闇の中ではピント合わせに四苦八苦するだろうなと思って、AFレンズも保険で持って行くことにした。防湿庫の中で埃を被っていたCanonのEF85mmF1.2L Ⅱ USMを久々に持ち出してカバンの中へ詰め込む。

キヤノンの人も言っていた。EF85mmF1.2L Ⅱ USMはとても良いレンズだと。これまでにもこのレンズを使ってとても良い写真が撮れたし、携帯必須のLレンズだったのだが、先述したとおり、開放での撮影の収差を徹底的に排除し、中判カメラのイメージを再現出来るツァイスのOtusシリーズを手に入れてからは、すっかり出番がなくなってしまった。

さっそく昼間の撮影に取り出して、久々に1DXに取り付けてみた。砲丸を手にしているかの様なズッシリとした重み、懐かしい質感が掌に甦る。被写界深度F1.2というのは現在の所キヤノンにしか出来ない芸当だそうで、類い希なレンズが紡ぎだす写真を久々に味わってみたくなり、開放で撮影。

逆光で撮ったせいもあり、下の方に白い靄の様なもの、いわゆるフレアが出たが、これがまた良い味を出している。レンズは新しくなればなるほど逆光性能に優れていて、フレアやゴーストが出にくくなっているのだが、フレアやゴーストが欲しい時もあるので、そういう幻想的な絵が欲しい際には、懐古趣味的なオールドレンズなどはうってつけなのだろう。

それにしても、AFレンズは楽で良い。MFはピント合わせがシビア。ファインダーの像を肉眼で見てピントが合っているかどうか確認するのは至難の業だ。開放でなら尚更のこと。ピントの山を掴むのは、長年の経験がなければ出来るものではない。それこそ東大阪の町工場の職人の様な1ミクロンもたがわない繊細な芸当が求められる。

スポット1点AFで、目にピントを合わせて撮影。AFなら気兼ねなくどんどん撮れる。瞬間を逃さない。肩を張る必要もない。画面の端に虹も出てきた。こういう遊びが出来る面白いレンズでもある。

model:Maisu | Canon 1DX | EF85mmF1.2L USMⅡ | AWB | M | F1.2 | 1/640s | ISO:100 | Portrait | Raw:DPP

model:Maisu | Canon 1DX | EF85mmF1.2L USMⅡ | AWB | M | F1.2 | 1/640s | ISO:100 | Portrait | Raw:DPP

実際に家に帰ってデータを取り込んでみたら、何と綺麗なこと。F1.2だと、さすがにレンズの収差で若干滲んでおり、シャープさに欠けるが、Canon純正のRAW現像ソフトDPPの機能の1つであるデジタルレンズオプティマイザ(DLO)をオンにすれば、にじみはある程度解消される。Otusに比べると開放でのシャープネスは劣るが、開放で撮っても充分実用範囲内だ。

さてこのレンズ、F2まで絞って撮った時に紡ぎだす画質が素晴らしい。実際にベンチに座っているモデルさんに最小限にまで寄って、顔をアップ目に撮ったのだが、大きな瞳が物凄く解像していた。等倍で見ると、レフ板と青い空と撮影者である僕がハッキリと分かる。余りにも綺麗すぎて、世界を写し取るその美しすぎる水晶玉に引き寄せられて、他の物が眼中になくなるくらいだ。きっちりとピントの合った写真というのは、そういう効用もあるのだと認識させられた。

ここまで綺麗に解像すると分かると、AFで楽なEF85mmF1.2L Ⅱ USMを再度常備携帯レンズに入れたくなるほどだ。Otus1.4/85と比べると、色のノリが軽い感じがして、それがまたクリアでありながら女の子らしいポップなイメージを喚起させてくれる。冬の澄んだ冷たい空気もシャキッと表現してくれる。

元々このレンズは開放で撮ることが多かった。まだ開放で撮ることの利点ばかりに目がいっていて、収差などの欠点に対して全く無関心だった頃、絞り優先モードでF1.2にセットして、背景をボカしにボカして撮影していた。あのシーンでもう少し絞っていれば、もっとシャープに撮れたかな?と思うこともあるのだが、F1.2の紡ぎだす世界も忘れてはならない。