ソフトボックスデビューでレビュー!

model:Riruru
model:Riruru

あるアマチュアカメラマンさんの写真を度々拝見していて、凄く綺麗で構図の上手い写真を撮られる方で、そのカメラマンさんがソフトボックスを使っていると聞いていたのがきっかけで、僕も遂にソフトボックスを購入した。決断までに半年くらいの時間を要した。

profoto ソフトボックス 120 x 90
Profoto ソフトボックスRFi 3×4′(90x120cm)

届いてから封を開け、アレなぜか裏側が銀色、銀だっけコレ白じゃなかったっけ、と疑問に思いつつも、組み立てるのも何だか面倒だし、取扱説明書も英語表記だけど写真付きであるし、現場行った時に一発勝負で組み立てればいいやとその時はうっちゃっておいた。

さて、いざスタジオで組み立てとなった時、何だか異様に大きいなと異変に気づいた。しかも大きい分、細いポールを組み立てるのが難しい。かなり強くしならせなければならず、大の大人の力でもぐっぐっと強く押したところでなかなかリングに嵌まらない。既に着替え終わった負けん気の強いレイヤーさんに手伝って貰い、何とか設置することが出来たが、やはり大きかった。

重さはまだ良いけど、大きいのは、スタジオによっては規約外になるし、よく行くスタジオの規約内の大きさを選んだのだけれど、この大きさで広げたままのスペース移動となるとかなり骨だなと不安になったのだった。この日のスタジオはワンフロアで比較的広かったから良かったけれど。

しばらくしたら、シェアしていたカメラマンさんに、おっきいなぁと言われ、「僕もそれ持ってるけど、モノブロック用ですよ」との宣告を受け、しばし唖然。いやでも商品説明には20社のスピードライトに対応とも書いてあったからそれを慰めに撮影していったが、予想以上にいい絵を紡ぎ出してくれた。

ソフトボックスで撮った写真を見て、皆でキャーキャー騒いでた。model:Nano
ソフトボックスで撮った写真を見て、皆でキャーキャー騒いでた。model:Nano

撮影も終わり、その大きすぎるソフトボックスをいざ解体しようとなったのだが、ポールがリングから抜けない。解体に困っていた僕を見かねたカメラマンさんが親切にも手伝ってくださり、無事ソフトボックスの解体作業を終えた。初心者には組み立てや解体が難しいそうで、その方もかつては手こずったのだとか。

コツとしては下に押してしならすと良いそうだ。繰り返し使っていく内にホールとポールが擦れて慣れてくるのだとか。一瞬壊れるんじゃないかと不安になるくらい強く押して貰ったが、何とか無事に抜くことが出来た。

このサイズの大きさだと、次に行くスタジオでは撮影や移動の際に色々不便するだろうから、一回り小さいソフトボックスを急遽Amazonで購入。アフターの時もひたすらスマホと睨めっこで買うかどうか迷っていた。

Amazonプライムはこういうときに便利だ。夜中の零時過ぎに注文して、翌日の夜にはもう届いていた。撮影にギリギリ間に合った。

2回に渡りソフトボックスを使ってみた感想としては、アンブレラよりも色々優れている。暗く撮りたい場所でも、何かと使いやすかった。軽く所感をまとめてみた。

アンブレラよりも光源が明るい気がする

気がすると書いたのは、正確には比較していないから。しかし今までのストロボ撮影の記憶を頼りにした実感としては、暗い設定でも撮りやすかった。ストロボの光量もいつもよりも少なめで撮れた気がする。

F値を絞っても、ソフトボックスが被写体から少し離れていても、撮りやすさ、カメラやストロボの設定のしやすさを感じた。
F値を絞っても、ソフトボックスが被写体から少し離れていても、撮りやすさ、カメラやストロボの設定のしやすさを感じた。

カメラのフレームギリギリの所に置いても、ストロボのフレアが発生しない

アンブレラと被写体の距離が光量の必要性から縮まっていると、構図を取る際にどうしてもカメラのフレームのギリギリの所にアンブレラが来てしまう。

アンブレラの場合はフレアが発生してしまい、アンブレラとフレームの位置に神経質にならざるを得ないのだが、ソフトボックスで同じ事をやると、フレアが全く発生しなかった。この点は撮っていて非常に楽だった。

狭い場所にも置ける

アンブレラは丸形なので、壁の脇に置こうとするとどうしても邪魔になってしまうが、横幅60cmのソフトボックスは、壁にピタッとくっつけることが出来るので、その分スペースに余裕が出来る。先にも述べたフレアが発生しない件とも併せて、狭い場所でも撮りやすい。

下の写真は縦長の狭いスペースとなっているが、壁に沿ってソフトボックスを置けるので、ストレスなく撮影できた。円形のアンブレラなら小さいタイプの物でも横に広がる上に、フレームぎりぎりでフレアが発生するので、設置場所に四苦八苦していた事だろう。

広角16mmで撮影。この写真では入り口のある右側に置いているが、左側においても問題なく撮影できた。
広角16mmで撮影。この写真では入り口のある右側に置いているが、左側においても問題なく撮影できた。

キャッチライトが綺麗

キャッチライトは特に女性を撮る時は丸い形の方が綺麗なので、アンブレラの方が適しているかなと思ったけれど、ソフトボックスの長方形のキャッチライトの方が美しく見える。

ソフトボックスだと、キャッチライトも美しく映える。
ソフトボックスだと、キャッチライトも美しく映える。

写り映えが違う

データを見て思ったのは、アンブレラよりも数段写り映えがするということだ。光に指向性が出ているからだろうか。

綺麗な顔立ちのモデルさんも、ソフトボックスでより美しく撮れる。
綺麗な顔立ちのモデルさんも、ソフトボックスでより美しく撮れる。

被写体に陰影を付けやすい

アンブレラで陰影のある写真を撮ろうと思うと、その半円の形状から設置に四苦八苦する。光が漏れたり拡散の幅が広いせいだろうか。

一方ソフトボックスは、平面の為か被写体に影を付けやすい。こう設置したらこう影がつくだろうなとの予想が立てやすいので、簡単に考えがまとまる。

初めてソフトブックスをスタジオで使ったときに上手く陰影がついて喜んでいたのも、なみきさんだった。
初めてソフトブックスをスタジオで使ったときに上手く陰影がついて喜んでいたのも、なみきさんとなのさんだった。

ソフトボックスの利用に必要な機材一覧

ソフトボックスを使うには、ソフトボックス本体の他に、ソフトボックスにモノブロックストロボやクリップオンストロボを取り付けるためのスピードリングアダプター、ソフトボックスを立てるためのライトスタンド、リングとサイトスタンドを繋げるためのアダプタが必要となる。アダプタは今まで使っていたアンブレラホルダーでも代用できる。

他にオプションとして、光の指向性を強めるソフトグリッド・ハニカムグリッドがある。グリッドを付けると、光がより真っ直ぐに放たれ、被写体のみをストロボ光で明るく照らすことも可能だ。暗いシーンで背景の明るさを落として被写体を際立たせて撮影するのに重宝することだろう。

というわけで、結果的に二つのサイズのソフトボックスを購入してしまったが、後悔しない買い物が出来て大満足だ。これから先何度か撮影を試みて、アンブレラが必要なさそうなら、ソフトボックス一本に絞っていこうかと思っている。

そういえば、アンブレラの良さに気づいたのが、なのさんの撮影で、ソフトボックスの良さに気づいたのもなのさんの撮影だった。彼女とは2,3ヶ月に1回の撮影スペースなのに、何かと幸運を運んできてくれているようだ。