お薦めソフトボックスと、ソフトボックスストロボライティングに必要な機材一覧

Profotoのソフトボックス。価格は高めだが、シッカリとした造りで、放たれる光も美しく被写体を照らし出す。
Profotoのソフトボックス。価格は高めだが、シッカリとした造りで、放たれる光も美しく被写体を照らし出す。

いざソフトボックスを導入しようと思っても、何を買い揃えば良いのか分からないという方も多いのではないだろうか。どの大きさのソフトボックスが良いのか、ライトスタンドはどれが良いのか、どの程度の値段がリーゾナブルなのか、他に必要な機材はないのか、持ち運びはどうすれば良いのか等々・・・・・・。

ソフトボックスを使用するには、ソフトボックス本体、スピードライトを取り付ける為のスピードリングアダプタ、ライトスタンド、それらの機材を収めるショルダーバッグが必要となる。

またここでは、一般的なクリップオンストロボ(スピードライト)をソフトボックスに装着して使用することを想定して話を進める。モノブロックストロボも使えるが、値段が高い上にバッテリーが必要となる。またカメラとの設定も普段からクリップオンストロボを使っているユーザーにはわかりにくい。アマチュア向けに、なるべく手元にある機材を使ってコストは抑えた方が良いという観点から解説していく。

序文

ソフトボックスを紹介するにあたり、なぜソフトボックスが必要なのか、アンブレラや小型ディヒューザーとの性能面での違いを解説していきたい。またソフトボックスを選ぶ際の参考として頂けるよう、メーカーによって異なるソフトボックスの価格や重量、性能面、堅牢性などのメリット・デメリットも比較解説していく。

アンブレラとソフトボックスの違い

まずアンブレラとソフトボックスの違いについてみていきたい。アンブレラには大きく分けて、ストロボ光をバウンスさせるタイプと、透過させるタイプ(トランスルーセント)の2タイプがある。

参考としてプロフォトのアンブラ製品を紹介している公式サイトのURLを掲載しておく。

https://profoto.com/jp/products/light-shaping-tools/umbrellas-a1cf8f5c

またそのサイトを基に、アンブレラの効果の違いを解説した拙者の記事も併せて掲載しておく。

各種アンブレラの光の特徴と用途 – profoto製のアンブレラ

バウンス型と透過型(トランスルーセントタイプ)アンブレラの違い

バウンスさせるタイプのアンブレラは傘の内側が銀幕もしくは白になっており外幕は黒く覆われている。ストロボ光を内幕に1度バウンスさせて、被写体に光を届ける。

一方で透過型(トランスルーセントタイプ)のアンブレラは外側が黒幕で覆われておらず、白一色となっている。ストロボ光を傘の白い幕を通過させて被写体に光を届ける。

故にバウンス型のアンブレラは被写体に対して傘の内幕が見える様に設置し、透過型(トランスルーセントタイプ)のアンブレラは傘の外側を被写体に向けて設置する。

トランスルーセントアンブレラの方が何かと使いやすい

筆者自身はアンブレラを使用する時は、トランスルーセントタイプのアンブレラしか使わない。バウンス型のアンブレラを使うメリットや効果がいまいちよく実感できないためだ。

ストロボで壁バウンスをしたい時に壁が黒かったり(光を吸収してバウンス効果が無い)壁が遠すぎてバウンス出来ない場合には、ライトスタンドにアンブレラを設置すれば、ストロボをバウンスさせることが出来る。しかしそれならバウンスなどさせずにトランスルーセントタイプのアンブレラを使えば良いのではないか。

それに被写体と逆の方向に向けた傘にストロボ光をバウンスさせるという事は、それだけ光は遠くなるから、いざ光量が必要な時には光が足りなくなり撮影しづらいのではないか。スタジオや野外での撮影シーンでは、絵作りやそれに伴うカメラの設定によって、ガイドナンバー60のフラッグシップスピードライト(ストロボ)の撮影に支障を来さない限りの大きな光量設定1/2でも足りないというシーンが度々ある。

また被写体から離れている分、光をコントロールするのが必要な撮影シーンでは、トランスルーセントアンブレラよりも扱いが難しいのではないかという懸念から所有していない。この点については、バウンス型のアンブレラを使用していないので強くは断言出来ない。

光の拡散性と指向性の違いがある

光をコントロールすると言ったが、ここでなぜアンブレラではなくソフトボックスを使うのかという理由が垣間見えてくる。

トランスルーセントアンブレラは拡散光を作り出す。通常の女性のポートレートなら綺麗に撮れて良いのだが、男性の力強いポートレートを撮る場合などには、女性のように顔や体全体を明るく撮るのではなく、被写体に陰影を付ける必要がどうしても出てくる。ところがトランスルーセントアンブレラは光が拡散するので、撮影者が意図したような陰影を付けづらい。傘を被写体ではなくカメラマン側に大きく向けて撮るという詭道もあるが、実に難儀な撮影手法で結局は思い通りに陰影がつかない。

そこでソフトボックスの出番となる。ソフトボックスはその構造から光の指向性に優れており、向きにより簡単且つ様々な配分で陰影を付けることができる。またソフトボックスにグリッドを付ければ更に光の指向性を強めることが出来る。

光の拡散性が弱まるという事は、被写体の背後に届く光も限定されていくという事だ。グリッドを付ける理由の1つとして、光の指向性を強めて更に光の広がる範囲を狭めることで、被写体だけにストロボ光を当て、背後にストロボ光が回らないようにする。例えば被写体は明るく、背景は暗く撮りたい時に、ソフトボックスとグリッドのコンビが光の指向性を強めてくれるので、大きな効果を得られる。

アンブレラとソフトボックス、描写性能の差異

アンブレラとソフトボックスにより透過されたストロボ光が与える被写体への描写性の違いはどうだろう。筆者自身コスプレをしていた当時、メイクをして撮って貰っていたが、アンブレラの時は顔がテカることはなかったが、ソフトボックスを使うと若干顔がテカっているように見受けられた。このテカリの描写は芯の強い光と言い換えることも出来る。

プロフォトのソフトボックスは大小2つの紗幕を表面と内部に取り付ける構造になっている。ソフトボックスの内側は銀の幕で覆われており、ストロボ光は小さな紗幕と大きな紗幕の2枚を通るわけだが、大小の紗幕を通る際に恐らくバウンスして銀幕に跳ね返り更に白い幕を通して被写体に届くという複雑且つ重複した光の流れを形成しているものと思われる。対してトランスルーセントアンブレラの場合は傘の幕1枚を通すだけだ。

この構造の違いがストロボ光が紡ぎ出す描写の差異を生み出しているのかも知れないが、実感としてはソフトボックスは光の芯がアンブレラよりも若干強いのでは無いかと思われた。便宜上光の芯という言い方で表現しているが、筆者自身が撮影する時は、女性のモデルに対してその違いを感じたことはないから、男の硬いゴツゴツした肌に施す濃いメイクが微妙な差異を発生させているのかもしれない。

あるいは同じストロボの光量で光が拡散するという事は、指向性の強い光と比べると被写体に届く光は弱くなることが光の性質から考えられるから、指向性が強くなったためにアンブレラと比べると強めの光が当たっていたのがテカリを発生させ光に芯があると感じさせていたのかも知れない。もしくは光が集約されたことで拡散性のあるアンブレラと比べ光の芯が強くなったと考えられなくもない。光の集約=光の芯を形成するという考え方だ。

真偽のほどはともかく、長年の撮影結果を集約して結論づけると、今まで通り女性を明るく綺麗に撮るなら、アンブレラ2,3灯のままでも良いわけだ。アンブレラの方が軽いし機材は少ないから荷物も少なくて済むし、設置も時間がかからない。しかしいつも被写体の全体を明るく撮りたいだけとは限らない。時には陰影を付けたい時もあるだろうし、背後の壁や装飾などが明るく照らされてしまうのを避けたいというシーンもあるだろう。そういう時にソフトボックスを持っていれば、簡単に被写体に陰影を付けたり、背景を暗く落として撮影したり出来る。

つまりソフトボックスは、写真の絵作りの幅を広げてくれる。

実際にアンブレラだけでは撮りたい写真が撮れない場合もある。極端な例としては、スタジオでプロジェクターを使って壁に絵を投影して撮影する時に、ソフトボックスにグリッドを付けて被写体だけにストロボ光が当たるようにして、背後の映像が投影された壁には光が届かないようにしないと、プロジェクターの映像にストロボ光が干渉して映像が消えてしまう。

ソフトボックスの大きさ

ソフトボックスがなぜ必要なのか分かってきた。では次にどの大きさや形のソフトボックスが良いだろうか。アンブレラの代用になるソフトボックスはどれだろうか。

ソフトボックスにも様々な大きさがある。プロフォトを例に上げれば、横:縦が30x40、40x60、60x90,90x120。更に細いタイプだと30x120など実に様々なサイズが用意されている。Amazonのサイトを見れば、どれだけのサイズが用意されているか一目瞭然だ。

Profoto ソフトボックスRFi(Amazon公式サイト)

ここでストロボ光が被写体に与える描写の質感について、詳しく見ていきたい。

アンブレラを使用する前は、ストロボに直接取り付けるタイプの長方形のディヒューザーを使用していた。その当時は光の質感についてとやかく感じることはなかったのだが、アンブレラやソフトボックスを使い始めて、その美しく紡ぎ出す光の描写性能を知った後では、何かの機会にやむにやまれぬ事情で再びディヒューザーで撮ってみると、その描写の質感が実に硬くてテカリを伴うものであるように感じられ仕上がりに満足出来なかった。

つまり小型のディヒューザーのように光源の面積が小さければ光の当たる被写体は硬質なイメージになり、アンブレラやソフトボックスのように大きくなればなるほど柔らかくなるという事だ。ここにストロボに取り付けるタイプの小型のディヒューザーではなく、アンブレラやソフトボックスを使う理由がある。

ソフトボックスの形

ソフトボックスには正方形、長方形、縦長タイプ、8角形のオクタタイプなど様々な形の製品があり、それぞれに用途や効果がある。人物撮影なら正方形や長方形のソフトボックスが好まれる。全身を明るく照らしたいのであれば、長方形のソフトボックスが最も適しているだろう。人間の形が縦長なので、光を当てるなら縦長の方が良い。

縦に細長いタイプのソフトボックスはリムライトとして使用される。人物の縁をサイドや後ろから照らして、光で輪郭を形作る。30x90のようなサイズになるが、正面斜めから当てれば普通にメインライトとしても使用出来る。

オクタタイプのソフトボックスは、女性のポートレート撮影などで、目のキャッチライトを丸く入れたい場合に使用する。長方形のソフトボックスだとキャッチライトが長方形の形になり女性の柔らかいイメージが減ずる。キャッチライトは四角よりも丸い形の方がイメージとして可愛く撮れる。

レフ板を使用しての作例。キャッチライトが丸く入って、モデルもより可愛く撮れる。

ソフトボックスのサイズ

光源の面積が大きければ大きいほど光が柔らかくなるが、スタジオの広さの問題がある。スタジオには工場を改装したような3,40人が入れるような巨大な白ホリゾントもあれば、居住用のマンションを改装した3人程度がやっとのスタジオもある。スタジオによって持ち込めるソフトボックスの大きさは異なってくるだろう。

最も汎用性の高いソフトボックスのサイズは60x90(cm)だ。このサイズなら大体どこのスタジオでも設置出来る程度の大きさだ。大きすぎず小さすぎずでバランスが良く、明るい写真なら光の回り方に問題の無い写真が撮れる。ソフトボックスとアンブレラの2灯併用で、5人前後の集合写真を問題なく撮る事が出来る。

ソフトボックスは大きければ大きい程柔らかい光を紡いでくれるが、場所と運搬の問題がある

問題は背景を暗めに落として人物の全身だけストロボで明るく照らしたい場合だ。ソフトボックスの縦の長さが足りないと足下が暗くなる。そのような場合は90x120以上のソフトボックスを使うのが理想的だが、やはり大方のスタジオでは手狭になるので、60x90で妥協することになるかもしれない。足下はアンブレラか小型のディヒューザーで補助するという方法もある。

10人から20人以上の大人数の集合写真となると、60x90では小さい。また1灯だけでは足りない、2,3灯は必要になってくるだろう。しかしそれだけの大人数なら必然的に手広いスタジオで撮る事になるから、90x120以上のソフトボックスが使える。問題はスタジオまでの持ち運びだ。大きな三脚用のショルダーバッグか、カートが必要になってくるだろうし、自家用車がなければスタジオまで行くのにやや難儀することになる。

これらのことを踏まえて、人物撮影の際のお薦めのソフトボックスのサイズは、60x90(cm)の長方形タイプになる。まず人物の形というのが直立した場合に縦長であるから、正方形よりも長方形の方が汎用性が高い。バストアップのみ撮るというのなら正方形でも良いのだろうが、全身を撮る時だってあるだろうし、背景を暗めにして撮ることもあるだろう。汎用性の高い形のソフトボックスを一つ持っていれば、あらゆるシーンのストロボ撮影で活躍する。

値段

次にどこのメーカーが良いかという事になる。候補としてあげられるのが、プロフォト、ゴドックス、2020年現在はこの二つのメーカーが、筆者がコスプレ撮影の現場で目にしているアマチュアカメラマン界隈の主流となっている。ゴドックス使用者が特に多い。なぜならプロフォトに比べて非常に廉価だからだ。

プロフォトとゴドックスの違いは値段と重さと性能にある。プロフォトは高価だ。60x90(cm)は3万円近くする。対してゴドックスは数千円前後と安い。

またプロフォトのソフトボックスを使用する場合は、スピードリングアダプタが必要となる。ゴドックスはプラスチック製のストロボ取り付け装置が付属しているので、ソフトボックスを買えば、後はライトスタンドを揃えるだけで使用することが出来る。

これらの面からゴドックスの方がコストパフォーマンスは優れていると言える。他に揃えなければならない装備や組み立て面から見た手軽さもゴドックスに軍配が上がる。

重量と付属器具

次に重さの問題がある。プロフォトのソフトボックスをライティング装備とした場合、そこそこの重さが伴う。その理由としてスピードリングアダプタがズッシリと重いのがまず上げられる。そしてその身重なソフトボックスを支えるためにしっかりとしたライトスタンドを購入する必要があり、こちらも重くて嵩張る。自家用車無しで徒歩と電車、バスなどの公共交通機関での移動を考えているなら、希である大人数の集合写真を除いて、プロフォトのソフトボックスで持ち運べるのは1灯が限界となる。ソフトボックス装備一式にアンブレラ2本と中型三脚、これが成人男性がとりあえずは無理なく持ち運び出来る重さや大きさの限界だろう。

大型併せなど大人数の集合写真の撮影の場合は、気合いを入れていくので、一回り大きいショルダーバッグやカートなどにライティング機材を詰め込んで、休み休みでスタジオに行くことは可能だが、成人男性でもそこそこの労苦を伴う。しかし大人数の集合写真の撮影はアマチュアの世界ではそうあることではないので、上述したような比較的軽装備の一式となることが圧倒的に多い。

一方でゴドックスは軽くて嵩張らない、ライトスタンドもマンフロットの1万円するようなそれほどガッシリとした製品でなくとも良いので、ライティング装備が軽くて済む。だから2,3灯持ってこれるのではないか。3灯のゴドックス製のソフトボックスで撮っているカメラマンをシェアスタジオでよく見かける。

なぜソフトボックスが2灯いるのか、アンブレラで代用すれば良いのでは無いかと思われるかも知れないが、片側にソフトボックス、もう片側にアンブレラだと、光の拡散性が異なり、被写体の後ろの壁にストロボ光が当たった場合に、テカリの範囲に釣り合いが取れていなくてやたら目立ったりする。

また両側からストロボを光らせて中央に強い陰影を出すといったライティングを組みたい時に、片側がアンブレラだと綺麗に陰影を作れないことが多い。やはり2灯で陰影を出すライティングを目的とした時に、光の拡散性の強いアンブレラだと不具合が生じることになり撮影しづらい。

筆者自身出来れば2灯のプロフォトのソフトボックスを持っていって撮影したいところだが、スピードリングアダプタとライトスタンドを2組持っていくのは重さと大きさの面から艱難を伴うので、妥協してソフトボックス1個とアンブレラ2本の計3灯で凌いでいるという状況だ。

性能面

ではなぜプロフォトにこだわるのか。それは光の質感が主な理由となっている。某所で見かけた投稿によると、プロフォトと安価なソフトボックス、作り出す光の質感を比較すると、安価なソフトボックスは光の芯が強くて、モデルの頬がテカるという話だった。実は筆者も同じ体験を15,000円ほどの六角形の中型ソフトボックスで撮影した時に被っている。現場でカメラの背面液晶画面を介して撮影データをモデルに確認して貰うと、「いつものアンブレラに変えて欲しい」と言われたほどに歴然とした差が認められた。件の投稿は推測するしかないが、恐らくこれと同じ現象が安価なソフトボックスにも認められたのだろう。

果たしてどれほどの違いがあるのかは比較検証実験をしていないので断言出来ないが、過去の別のソフトボックスでの自身の体験もあり、肌を綺麗に撮るためにプロフォトを選んでいるというわけだ。

堅牢性

また、安価なソフトボックスは壊れやすいという負の面を持つ。ストロボを固定させる器具がプラスティックで壊れたという話を耳にしたことがある。

対してプロフォトのソフトボックスは「高品質ファブリック(※筆者註:布地・繊維の意味)を採用」とあるので、丈夫なのだろう。4年ほど使い続けているが、内側の銀幕がやや剥がれたくらいで、他は問題なく使用出来ている。

またストロボを固定させる器具も、丈夫で重いから落としても割れない。1度野外の廃墟イベントの撮影で、ライトスタンドを高々と伸ばして撮影していたら派手に横倒しになったことがあるが、翼のような板の器具の端が折れ曲がっただけで壊れなかったしその後の使用にも差し支えなかった。また風で同じように倒して板の中央から片側にかけて曲がった事もあったが、金属ながら人の手でなんとか元に戻せるほどの柔軟性があった。

ライトスタンドも昔モノブロックセット1万円と銘打たれたセット製品についていたライトスタンドを使ったことがあるが、持ち運び用には出来ていないためか、ライトスタンドを入れていたショルダーバッグを倒してしまった時に簡単に壊れてしまい、実際には一回も使えずじまいだった。マンフロットの1万円するライトスタンドは何度も倒しているがネジ一つ飛ばない程に丈夫だ。

値段、重量、性能、堅牢性などをひっくるめると甲乙つけがたいところがあるが、人により条件や必要としているシーンも様々だと思われるので、読者の判断に委ねたい。

次にメーカー毎に、ソフトボックスに必要な装備を見ていきたい。

廉価版ソフトボックス

GODOXやNEEWERのソフトボックスは3,000〜6,000円前後と、とても安くてコストパフォーマンスに優れている。ライトスタンドに取り付けたストロボをそのままソフトボックスの中に突っ込んで使用するタイプのようで、ストロボを取り付けるマウントが必要ないタイプになっている。両者ともアンブレラタイプなので、組み立てる必要がなく、その場で簡単に広げられるようだ。

評判についてはAmazonのユーザーレビューで実際に確かめてから、購入するかどうか自身で判断して頂きたい。

Profotoのソフトボックス

プロカメラマン御用達のprofotoのソフトボックスは、25,000円~35,000円と値段は張るが、それだけ造りがよく、光も綺麗。内幕をシルバーコーティングにすることで光を強め、白のシートを二重に張る構造で光を柔らかくしている。

ソフトボックスのサイズは大きければ大きい程良い効果が生まれるが、やはりスタジオでの使用を考えると、そのスタジオにあった大きさというものがある。ハコスタジアム系列なら90×60のサイズがそこそこ大きくて邪魔にならないのでちょうど良い。120×90も規約内だが、大きすぎて待機中に組み立てたままでいると邪魔になるのと、広さによっては使える場所が限られてくる。一度組み立てると解体するのも面倒なので、組み立てたまま移動したいなら90×60が最適の大きさとなる。

半独占できる広めのスタジオ系列なら90×120でも良い。ただし大きいサイズのソフトボックスは値段が高くなる。

野外のイベントは人も多いので、60×90のサイズが最適だ。

ロケの場合は場所による。人通りの少ない広い場所ならば90×120が活きてくるだろう。

豊富なサイズの中からどれか一つを選べと言われれば、何度も言うが60×90(cm)のソフトボックスをお薦めする。どのような場所でも最適に使用することが出来、大きさも充分。価格の面でも折り合いが付けられる。

スピードリングアダプタ

profotoのソフトボックスにスピードライトを取り付けるには、専用のスピードリングアダプタがいる。価格は23,000円前後。こちらも値が張るが、ガッシリとした造り。スピードリングアダプタにソフトボックスを取り付けることで、ソフトボックスを縦横斜めに回転させることが出来る。

このスピードリングアダプタはストロボを二つ取り付けられるようになっている。2個ストロボを装着すれば、一つだけの時よりも光量が大きくなる。昼間に背景を暗く落として撮影したり、F値を絞ってカリカリに撮りたい時などには重宝するだろう。

ライトスタンド

マンフロットのライトスタンドがお薦めだ。このライトスタンドには金色の金具(ダボ)がついているので、そのままスピードライトリングに取り付けることが出来る。

ライトスタンドケース

ソフトボックス一式を撮影現場に持って行くには、それを収納するバッグが必要となる。ソフトボックス1セットなら、こちらのショルダーバッグにぎりぎり入れることが出来る。

2セット持って行くなら、こちらの三脚バッグの方が内容量が多いのでお薦め。

重いと感じる場合はキャスター付きのショルダーバッグもある。

ソフトグリッド

光の指向性を強めるアイテム。ソフトボックスの縁にマジックテープで取り付けることが出来る。ソフトボックスから放たれる光はアンブレラよりも指向性が強いが、更に指向性を強めることで、被写体のみに光を当て、周りに光が当たらないようにすることが出来る。すなわち、ストロボを光らせることで明るくなってしまう背景を、暗く落とし込むことが可能となる。

これだけ揃えると今までの装備と比べ荷物が重くなる。その労苦から得られる恩恵として、今までとは違った写真表現を追求する愉しさを見いだせることだろう。(2020年4月24日:全面改訂)