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キヤノン5DsRユーザーから見た、SONYα7R IIの印象

裏面照射型CMOSを搭載したSONY α7R II

裏面照射型CMOSを搭載したSONY α7R II

SONYから発売されたフルサイズミラーレス一眼カメラα7R II、キヤノンユーザーとしても、とても魅力的な機種である。この機種がリリースされるニュースを聞いた時、はじめは度肝を抜かれた。Canonから5060万画素を誇る5DsRが出て間もないのに、ソニーはそれに匹敵する高画素機を、しかも裏面照射型CMOSなる新技術を搭載した機種を投入してきたのだ。ソニーの攻めの姿勢がうかがえる。さっそく2機種のスペックを比較してみよう。

SONY α7R II VS Canon 5DsR
SONY α7R II Canon 5DsR
外観 SONY α7R II 5DsR
有効画素数 約4360万画素 約5060万画素
連続撮影速度 最高約5コマ/秒 最高約5コマ/秒
常用ISO感度 100-25600(拡張:下限ISO50、上限ISO102400) 100~6400(拡張:最小50・最大12800)
測距点 フルサイズ時:399点(位相差検出方式)
APS-Cサイズ時:357点(位相差検出方式)
25点(コントラスト検出方式)
61点(位相差検出方式・クロス測距点:最大41点)
記録画素数 7952×5304ピクセル 8688×5792ピクセル
モニター 7.5cm(3.0型) TFT駆動・約122万ドット・XGA 3.2型TFT液晶モニター・約104万ドット
タッチパネル × ×
wi-fi ×
動画記録方式 3840×2160(4K):30p/24p
1920×1080:60p/30p/24p
1920×1080(Full HD):29.97p/25.00p/23.98p
映像圧縮方式 MPEG-4 AVC/H.264 MPEG-4 AVC/H.264
記録媒体 ”メモリースティック PRO デュオ”
”メモリースティック PRO-HG デュオ”
”メモリースティック マイクロ(M2)”
SDメモリーカード、SDHCメモリーカード(UHS-I 対応)
SDXCメモリーカード(UHS-I 対応)
microSD メモリーカード
microSDHC メモリーカード
microSDXC メモリーカード
CFカード(タイプI準拠、UDMAモード7対応)
SD/SDHC※/SDXC※メモリーカード※UHS-Iカード対応
バッテリー容量 1865mAh
撮影可能枚数 ファインダー撮影:約290枚
液晶モニター撮影:約340枚
(CIPA規格準拠)
ファインダー撮影:
常温(+23℃)約700枚/低温(0℃)約660枚
ライブビュー撮影:
常温(+23℃)約220枚/低温(0℃)約210枚
重量 約625g
(バッテリーと”メモリースティックPROデュオ”含む)
約930g
(CIPAガイドラインによる)
シャッター耐久 15万ショット

裏面照射型CMOSという新技術が搭載され、高感度でもノイズが少ないという点が、高感度性能に弱さを含んだ5DsRユーザーとしては非常に魅力的。なぜキヤノンは5DsR開発に当たって、この新技術を採用しなかったのだろうと初め疑問に思った。

いろいろなカメラ雑誌を読んでいて見えてきたのだが、キヤノンは、カメラとレンズでは開発部門が異なるらしく、レンズでは世界に先駆けた革新的な技術を搭載する開発力を誇るが、カメラ開発の方はというと保守的らしい。Nikonが3000万画素以上の高画素機を出してきて、ようやくキヤノンもユーザーの高画素機待望の声に押される形で重い腰を上げ、Nikonの高画素機を遥に上回る、5060万画素の5DsRを堂々とリリースした。世界で初めてフルサイズ一眼レフデジタルカメラを世に問うたキヤノンの威信を、ここにきて見せつけたのである。

裏面照射型CMOSの評判は実際どうなのだろう。他人の家の芝生は青く感じるもので、実際にα7R IIユーザーの声をネット検索を掛けて色々と拾ってみることにした。どうやらバッテリーが直ぐに上がってしまうらしい。この点は5DsRも5DMarkⅢに比べてバッテリーの減りが速いが、果たして、それ以上バッテリーを食うのだろうか。僕は5DsR用のバッテリーを4つ持っていて、800枚を超えそうな1日の撮影だと予備を3つは持っていく様にしている。あと4k動画も綺麗だけれど、ボディ本体が熱を持つそう。実際にISO6400で撮影された等倍の写真も見たのだけれど、想像していた期待値よりもノイズ出てるかなと思った。あと動体撮影のAFがハイエンド一眼レフデジカメに若干劣る様だ。

Sony α7R IIレビュー:静止画も動画も最上位レベル、でも問題もあり(ギズモード)

裏面照射型CMOSを搭載していないもう一つの機種、α7S IIも検索してもみたら、期待外れというご意見が。5DsRユーザーとしては、4k動画が撮れるのも魅力的だし、上限ISO感度が高いのも魅力的。でも4k撮らないし、画素数も少ないということで、ご不満のご様子。公式サイトでスペックをよく調べてみたら、Sの方は、1220万画素しかないとのこと。1DXよりも少ない。値段もソニーストアで41万円+消費税とお高い。画素数少ないのにこのお値段だと、ISO感度の上限が高いとはいえ、確かに萎える。

かなり期待外れっぽいソニーのデジカメα7SⅡ(ILCE-7S2)機能の詳細と値段

更に調べてみると、裏面照射型CMOSは表面のそれと比べて、ISO感度以外ではデメリットばかりなのだそうだ。

裏面照射型CMOSセンサーのデメリットは何ですか?(Yahoo!知恵袋)

Canonの5DsRは、5060万画素の高解像度を誇り、実売価格50万を切った。ISO感度の上限は6400で、フラッグシップ機1DXと比べると、同じISOでも5DsRの方がノイズが多い。しかし同じ画素ピッチの7DMarkⅡと比べると、ノイズの面では性能を上回るそうだ。

どちらにしても、夜景を撮るとなると、三脚必須は常道だし、三脚を使えばISO感度は100で設定することになるから、ISO感度に弱くても夜景撮影には何ら支障を来さない。花火撮影や天体撮影も同じ。手持ちで花火や月や星空を撮影することは有り得ない。それにこのクラスのフルサイズ機ユーザーなら、写真の質に対するこだわりや情熱が高いので、夜景を気軽にふらっと撮りに行くというタイプの使い方はされないだろう。これだけの高スペック一眼レフ機となると、用途も厳選される様な印象を受けるが、日中にスナップ写真を撮るというライトな楽しみ方も出来そうだ。

では、人物撮影はどうか。クリスマスの季節となると街は賑やかなイリュミネーションに彩られる。往来の混雑する街中のポートレート撮影で三脚を使うわけにはいかない。ISO感度を上げつつ電灯や照明を頼りに撮影するしかないだろうか。そうとも限らない。ストロボに小ぶりのディフューザーをつけて、厚みのあるカバンを地面に置き、その上にストロボを置いて、座りのポーズを取るなり、片手にストロボ、もう片方の手でカメラを構え、壁に肩をもたれさせて撮影すれば、なかなか綺麗で絵になる写真が撮れる。アシスタントが1人いれば、街中でのストロボ撮影も非常に楽になる。人通りの少ない場所では、アンブレラとストロボを用いたスタジオスタイルの撮影も可能だろう。

それでも、ISO感度のノイズは少ないに越したことはない。ストロボで被写体を明るく撮る時でも、ISO感度を上げることで、暗めの場所の背景の明るさ調整も行うのだから、明るく撮りたい時には、カメラ側のISO感度の性能は最重要項目になる。

オリンピックイヤーとなる2016年には、フラッグシップ機1DXの後継機(1DXMark2)が出てくるだろうと噂されている。今現在1DXを使っているが、ソニーの裏面照射型CMOSの技術を見ると、ISO感度の面で遙かな改善が計られていなければ、ハイアマチュアカメラマンの食指は伸びないだろう。連写性能はそのままで、画素数2000万画素クラス、耐久シャッター数増強、ISO感度の性能アップ、これらの点での技術向上が期待されているが、ISO感度に圧倒的に強い技術が出ない限り、つまり高感度でも解像感や階調性を損なわない高画質な写真が撮れないカメラならば、買い換えは次の次の機種に持ち越すことになりそうだ。